「ITIL® 4」を学ぶなら、何からはじめるべき?
「ITサービスマネジメント(ITSM)」の最新の手引き(ガイダンス)である「ITIL®4」。どうやって学んでいけばいいのでしょうか?
そこで1つのベンチマークとして「ITIL®認定資格」が用意されています。これは「ITIL®」の内容を理解していると、証明するためのもの。
「ITIL® 4」の認定資格は複数の資格から構成されています(下図)。しかしこれだけを見ても「数が多くて、どこから手をつければよいのかわからない」という感想を持つ方も、少なくはないでしょう。
そこで今回は、ITSMのスキルを身につけようとする人が、まず取得を目指すべき資格を紹介したいと思います。
第一に取得すべき資格は「ITIL® 4 ファンデーション」です。
なぜなら、この資格は「ITIL® 4」の基礎的な知識を理解していることを証明するもので、これ以外の「ITIL® 4 認定資格」を受験するには、本資格の取得が前提になるからです。
「ITIL® 4 ファンデーション」に続いて、資格取得を目指したいのが、以下の3つです。
では、次節からその理由を説明していきましょう。
ITSMをモダナイズするための知識を得る
ITSMを取り巻く状況は大きく変化しています。これは疑いようのない事実です。IT領域、デジタル領域、OT、IoTなど、組織が担うべきスコープは拡大しています。ロボティクス、AI、自動化など技術の進化は目覚ましく、アジャイルやDevOpsなど、新たな開発手法も一般化しました。その結果、かつての方法論ではITSMを最適化することが困難になってきたのです。
この変化に対応するために、企業や組織にはITSMをモダナイゼーション(近代化)することが求められています。
と、言うのは簡単ですが、実際には何をすればよいのでしょうか?
まず取り組むべきは、自らの組織において、モダナイゼーション(近代化)が遅れている領域を明らかにすること。かつ、その実現において役に立つのが「4つの側面」という考え方です。
これは「ITIL® 4」を構成する主要書籍の1つ「CDS」で紹介されています。詳しく説明しましょう。
4つの側面とは、
という、ITSMを適切に実施するために重要となるポイントのことです。
モダナイゼーションのアプローチとしては、これらに対するアセスメントを行い、明らかになったギャップをもとにモダナイズ戦略を立てることが重要です。「ITIL®4」CDS書籍の構成には、これら4つの側面ごとに最新のプラクティスが記述されています。
そして戦略検討の際には、「カスタマージャーニー」ベースで物事を考える視点を持つことが重要になります。「ITIL® V3」以前はIT目線で論じられることが多かったITSMですが、現在では、ユーザー視点で“よいITサービス”を提供するために何を行うべきかを考えることが重要視されるようになりました。
このことを理解するために役立つのが「DSV」の内容です。
※「カスタマージャーニー」の要点は、こちらのページで紹介しています!
またITSMのモダナイゼーションには、目まぐるしく変化し続ける環境に対応するために、ITサービスの提供や改善を迅速に行うことが求められますが、これを実現するための前提となるのが「ハイベロシティ」なIT組織を構築すること。
これを実現する手法を紹介しているのが「HVIT」になります。
※「ハイベロシティIT」の意味は、こちらのページで紹介しています!
ここまで見てきたように、ITSMのモダナイゼーションを実現するためには「CDS」「DSV」「HVIT」に記載されている内容が関わってくるのです。
よって、これからITSMのスキルを身につけるなら、これら3つ「ITIL®」主要書籍に対応する認定資格の取得から挑戦するのが順当だといえます。
これらの資格を取得するには、各資格に対応した認定研修を受講し、認定試験に合格する必要があります。「ePlugOne」では、認定研修と認定試験が一緒になった「ITIL®認定講座」という研修プログラムを提供しています。興味のある方はぜひ、以下のページからご確認いただけますと幸いです。