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【72回】読書日記(190225)〜「服従の心理」を読み始める。

4月が近づいてきたので、さすがに教育書にも手を触れたいという気持ちがわいてくる。

特別支援学校勤務だが、実は気になるのは、小学校の実践書だったりする。僕はずっと特別支援学校勤務だが、授業の基礎は、小学校の通常学級の授業から学んできた。確かに小学校勤務経験はない。例えば、向山洋一氏の「授業の法則10か条」を知っているだけで、授業の取り組み方が変わったのは事実。長い説明をしなくなった。確認するようになった。考える時間を与えるようになった。

ただ、小学校で毎日授業をしている先生方に比べたら、そりゃ比較にできないほどの実力差。

ちなみに入手しておきたい教育書は

○阿部隆幸、他「全単元・全時間の流れが一目でわかる! 社会科3・4年 365日の板書型指導案」(5年、6年も合わせて計3冊)
○朝倉一民「主体的・対話的で深い学びを実現する! 板書&展開例でよくわかる 社会科授業づくりの教科書3・4年」(5年、6年も合わせて計3冊)
○赤坂真二「アドラー心理学で変わる学級経営 勇気づけのクラスづくり」
○渡辺貴裕「授業づくりの考え方 ―小学校の模擬授業とリフレクションで学ぶ」

来月まとめて購入しよう。


○スタンレー・ミルグラム「服従の心理」(河出文庫、2012年)

ハンナ・アーレントの本を読んでいたときにたしか出てきた「アイヒマン実験」

悪は人間離れした怪物が生むものではなく、むしろ凡庸さ/陳腐さの産物なのだ。(p334)

ある権威に命じられることにより、一般の人でも葛藤とストレスを感じながらも、残酷なことを行ってしまう。誰でも悪になることを証明した実験の報告書である。

何を思ったか「訳書あとがき」から読んだが、それで大正解だった。

原著が出て四十年近くたったいま、本書の分析や結論について、もっとまともな形で批判的検討を加える機は十分に熟しているはずである。(p344)

訳者が、批判ポイントを5つあげて、解説をしてくれているのだ。
「服従の心理」という題名ゆえに、人間が服従していく過程を知るために手にとった本。きっと、「いじめ」や「パワハラ」に通じるものがある。
だが、批判ポイントを先に読むことで、疑いながら本編に突入することができたのは大きい。すぐ何事も信じてしまいがちで、逆に、「これはおかしい」ということを読み飛ばす。異物を積極的に取り入れることで幅が広がるのに、もったいない読書になってしまう傾向がある。

実験結果を読みながら、批判がしっかりと存在しているということを頭に残して、読み進めていく。

全体の3割程度を読み終えた。