![スクリーンショット_2019-03-08_10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/10371348/rectangle_large_type_2_75bbe7410ff2061ab356e2164a605a8c.png?width=1200)
【83回】いじめの定義、解決の決まり(190308)
○「いじめ対策に係る事例集」を読む。
「いじめ対策推進法」「いじめの防止等のための基本的な方針」
それを含めた「いじめ対策に係る事例集」
文部科学省より。平姓30年9月発行。一番新しい資料であろう。200ページを超える資料である。PDFで入手。
とりあえず、「いじめの定義」「いじめの内容の例」「いじめの解消の定義」を読む。特に、「解消」については、しっかりと目安があることがポイントだ。
○「いじめの定義」
いじめ対策推進法第2条。
第2条 この法律において「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネッ トを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。
3回読んだ。「等」が多くてわかりにくい。だが、「等」のおかげで、「いじめ行為」を行う児童の範囲が規定される。つまり、加害児童は、被害児童が通う学校の児童とは限らないということだ。
「いじめの定義」はつまり、
加害児童が、被害児童に心理的・物理的な影響を与える行為を行うこと。
被害児童が、加害児童から受けた行為により、心身の苦痛を感じること。
この2点ということだ。
意外性なのは、行為を受けてきた期間は関係ないということだ。
長期に渡って続けば「いじめ」、1回ならば様子を見よう。そういう教師の判断は間違っているわけだ。
被害児童が苦痛を感じる状況であれば、「いじめ」なのである。
むしろ、「これはいじめ」「これはいじめじゃない」と分けて考えないほうがいいのかもしれない。
苦痛と感じているという訴え。
苦痛を感じる場面を目撃した。
ならば、対応を始めるべきなのだ。
○いじめの内容
あくまで例だが、以下のような内容が例としてあげられている。
冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる
仲間はずれ、集団による無視をされる
軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする
ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする
金品をたかられる
金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする
嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする
パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる 等
(いじめ対策に係る事例集、p145-146)
大人になって同様のことを行えば、犯罪になる内容が含まれている。
この内容を見るだけでも、鳥肌がたつ。
感情的にならず、対応をしていきたい。
○いじめが解消している状態
事実確認、対応、指導、謝罪、今後の様子確認。
数日間、「いじめ行為」が行われていない。ほっとする教師。
だけれども、「いじめが解消している状態」には基準がある。
1 いじめに係る行為が止んでいること
被害者に対する心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。) が止んでいる状態が相当の期間継続していること。この相当の期間とは、少なくとも3か月を目安とする。
(いじめ対策に係る事例集、p164)
まずは最低3ヶ月。行為が行われていないか把握する。
必要に応じて、期間を長期にし、状況を見守ることも可能になっている。
そして大事なのは当然、
2 被害児童生徒が心身の苦痛を感じていないこと
いじめに係る行為が止んでいるかどうかを判断する時点において、被害児童生徒がいじめの行為によ り心身の苦痛を感じていないと認められること。
(いじめ対策に係る事例集、p165)
これでしょう。
苦痛がなくならない限り、いじめは終わっていない。
おそらく「苦痛を受ける行為」は1つずつ出てくるわけではない。併発することも、時間がずれて出てくることもある。
普段からの、生徒一人ひとりの実態把握、教師と生徒との関係づくり、生徒同士の関係把握、そして問題が起きたときの迅速な動き。
普段の教師の対応がものをいう。