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楡
2022年10月14日 21:59
どこが好き?わたしのどこが好き?なんて聞かなくても分かる彼はわたしの眉をよく撫でる眉の緩やかな曲線を優しくなぞったあとは決まって優しくキスをする彼はよくわたしの眉に見惚れていてわたしはそんな彼の視線に熱くなるこの熱は、照れからじゃなくきっと嫉妬に似たものから出来ているわたしはわたしの眉にさえ嫉妬しているそれがおかしいことは分かっているわたしの眉はわたしの
2022年10月15日 21:15
覗き込んで5秒くらい経ってからやっと彼が喋った「寝れた?」まだ半分しか開いていない目で空のほうを向いていた彼がこちらに視線を向ける 顔が近い「うーん、割と寝れました」と応えながら今度は私が空の方を向いてみる「そう。良かった」と言って彼もふたたび空を眺めるあーほんと、名前なんだっけ「寝れましたか?」「割とどこでも寝れるタイプだから寝れたよ」「良かった」
2022年12月1日 14:33
上着を羽織ってスマホと財布だけをポッケに突っ込み家を出る日曜日、しかも天気が良いのにも関わらず近所の古本屋に行く途中にある公園には人ひとりいなかった。公園が寂しそうに思えて、自販機で暖かいココアを買い黄色いベンチに腰掛ける。今日は何にしようかな古本屋の外に置かれた棚の中で文庫本が窮屈そうにしているところを思い浮かべるクリーム色の外壁には1冊100円と手書きで書