障害者雇用 とっとと帰る
私は今の会社に障害者雇用で採用された。
入ってみて仰天したのだが、この会社は議論の会という名称での飲み会とか、イベント後の立食パーティとか、多い、多い。
1週間のうち3日ということもあった。
私はどちらかというと、仕事が終わったら即帰宅して、家のリビングでテレビ観ながらスマホ見ながらソファで横になりながらおやつ食べながらビール飲みながら、要はダラダラしたい。
でも一方で、あんまり出ないのも気が引ける。そもそも飲み会は好きだ。ふだん仕事中には耳にしない話を聞けるから楽しい。大勢の中だから、ガハガハ爆笑できたりする。
そうなると極める戦略はもう、これしかない。
「どうやってうまく、やり抜くか。」
仕事も飲み会も楽しんで、身体を大事にする方法。
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入社してからずっと、自分なりに守っているテーマがある。
それは、終わったらさっさと帰る、という「主婦キャラ」である(家事は夫と恊働であるが、おそらく私は主婦だと思われている。)
ふだんも仕事が終わったら走り去るように速く帰る。「お先に失礼します」と伝えて超ニコニコしながら猛スピードで立ち去るのである。
こんな勢いは飲み会に出るときも継承していて、終わった瞬間に鞄をつかんで外に出る。
笑顔で。頭をぺこぺこして。
先日の飲み会もとっとと帰った。19時45分に立食飲み会2時間コースが終わり、まだみなさんグラスを持ちながら尽きない話を続けている集団の隙間を駆け抜け、駅まで早足で歩き、20時の電車に乗るという超高速スピードで帰った。
ぺこぺこ笑顔で。
徹頭徹尾、とっとと帰るキャラである。
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こんなキャラを貫き通したから可能になったのだが、思えば今の会社に転職してから、けっこうな確率で飲み会を断ってきた。(そもそも多すぎるから、いっぱい断って初めて、一般的な飲み会の回数になる程度である。)
先日は異動で入ってきた人の歓迎会をやるということだったのだが、「課と係で2回やるのですが出席しますか?」と聞かれた。
なんじゃそれは!とツッコミを入れたくなった(笑)「両方出ても、メンバー半分おんなじじゃないか」と思わず口に出してしまいそうになったのをなんとかこらえ、広い規模の「課」の一回だけ出ると伝えておいた。
幹事は寂しそうな表情を浮かべていたが、その後、大は小を兼ねるから一回で済ませようという話でまとまっていた(笑)
よかったよかった。
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他方で先日、こんなキャラでも大事に思ってくださっていることを知った。
こないだ大きめな規模の立食飲み会があって、その幹事さんと話したのだが、参加者の名簿を作る時に「どうだろうか、エピレシアさん来てくださるかな」と思いながら、私を参加者リストに加えてくれたらしい。
私はもともと会議が終わったら平常運転で速攻帰ろうと思っていたのだが、飲み会参加者リストに私の名前が載っていたのに気づき、行くことにした。
金曜の夜だし、いっか、と。
一方で出席したことで、このような温かいぬくもりのあるお話を聞けたのだから、これはこれでとても実りある経験である。
なにより、いつも帰るからといって名前を消すのではなく、名簿に残してくださったのは嬉しい。
あふれ続ける優しさなのだろうと思う。
「みなさんの優しさ」と「私のとっとと帰る作戦」は日々拮抗していて、そのせめぎ合いを巧みに操り生き抜くことが、私の数少ない戦略である。
私が作り上げてきたこの技を、周囲に感謝をしながら、上手に使いこなす。
「どうやってうまく、やり抜くか。」
これは身体を大切にしながら楽しむための、永遠の重要なテーマである。
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