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自然淘汰で醸す酒
長野のワイナリーがワインを造っていない期間に造る日本酒。それが、小布施ワイナリーの「Sogga pere et fils / ソガ・ペールエフィス」のシリーズ。生産数も限られており、人気も高く、入手困難酒の一つ。
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ワイン用の瓶、栓も圧搾コルク。ぱっと見これが日本酒とは思えないだろう。もう一つの特徴としては、裏ラベルの圧倒的な能書きの量。
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こちらの「Riz a Sak Naturel / リア サケ ナチュレル 生酛」は、地場の無農薬美山錦70%精米に、協会1号、2号、3号、4号、5号、6号酵母に自然界に漂う自然酵母の混合発酵、さらに、表記外添加物一切不使用の生酛造り。
特定の酒蔵の蔵付き酵母から分離されたり、培養されたりして分類頒布されている協会酵母。現在国内酒蔵で使用されているのは、6号以降のもので、1号〜5号は既に廃盤となっている。それをこのワイナリーでは復活させ、割合は不明だが、1〜6号までの酵母と自然界に漂っている酵母を合わせて使用している。なかなかのキワモノ。
古典生酛なので、この他にも様々な微生物が、温度などの環境や、液体のpHなどの状態によって、それぞれの優位、増殖、失活などの淘汰を繰り返し、酒が出来てゆくのだが、最終段でアルコールを生成してゆく酵母を意図的に複数投入して淘汰させているところが面白い。いや、協調なのかもしれないけど。。
抜栓直後に漂う青畳のような独特の香りに首を傾げたが、その香りはすぐに消え去り。味中心の日本酒に。濃醇甘旨、米の香ばしさを感じ、中盤から後半にアルコールのボリューム感が押し寄せる。感覚はクラシックな日本酒、濃く、甘く、旨くの中にも調和された複雑味とスイスイと飲める軽やかな舌触りを両立させている。これ凄すぎ。なんでこんな自然任せ風任せの酒がこんな味になるのか。。。技術か自然の底力か。。
購入してから暫く冷蔵庫で寝かせていたので、蔵出しの味から少し変化しているのかもしれない。そういった変化に対する繊細さも感じる。それでも十分バランスを保てている範囲かとは思う。
入手は困難、インパクトもあるので好き嫌いはあるかも知れないが、いろんな日本酒を飲んでみたい人には是非オススメしたい。
複数酵母の淘汰によるバトルロワイアルが醸す、「見た目はワイン、中身は、*The*日本酒」そんなお酒。