Keishi Tanaka × the band apart @磔磔
先日とても”フレンドリー”なライブに行ってきた。その場にいると、一緒に聞いている誰かとの距離をグイッと縮めてくれて、なんなら自分のことまで自然と好きになれそうな楽しさだった。もしデートでこんなの連れて行かれたら、アホみたいに落ちるんだろうな。今すでにもう1回行きたい。
2019年1月14日(月)
Keishi Tanaka × the band apart
『SMOOTH LIKE NEW KICKS TOUR』
@京都 磔磔
仲良しが滲み出ている
そもそもこのツアーは、2018年6月に発売した Keishi Tanaka × the band apart 『Break It Down / Falling in Love』のツアー。もっと早く一緒にやろうと言っていたのに、なんだかんだで半年経って年を越し、このタイミングになってしまったらしい。
そのなんだかんだの紆余曲折を振り返りつつ「Keishiとは前のバンドの時は仲良くなかったんだけど・・」なんて荒井さんは言って、原さんは「俺はKeishiとは実は仲良くないんだ。良い人すぎる、そんな奴いねぇよ。」と笑った。皮肉っぽく言うが、バンド同士いわゆる仲良しなんである。それにthe band apartのなかの世間話みたいなMCもすごく良い。普段はどんな調子なんだろうと想像したり。しかし曲が始まれば、4人の阿吽の呼吸、グルーヴ感に圧倒される。コール&レスポンスとか、手拍子とか必要ない。4人で演奏している時が一番楽しい、のまま20年重ねてきたんじゃないかな。
そのあと、当のkeishiさんは「極悪人のkeishi tanakaです(笑)」と言って登場。次々とパワフルに歌って、さらに会場を一つにした。最強のフロントマンである。最後は勢いづいてモッシュのまま袖へ退場。観客と遊んでいるみたいだった。絶対に音源だけじゃなくて、ライブに行ってみて欲しい。きっとあの伸びやかな歌声と、楽しいことをいつも企んでそうな表情に圧倒されると思う。
アンコールではひょっこり荒井さんが登場したりと、本当に終始にぎやかなライブだった。「馴れ合いにしたくない」という言葉も聞こえたが、ファンにとって憧れの人同士が戯れあっているのはこの上ない喜びである。少なくともフロアには感情が漏れ出て含み笑いしている大人がたくさんいた。会場丸ごと楽しんでいた。
「誰ひとりおいてかないんで」とはまさに。みんな仲良くしてもらえたライブだったと思う。
磔磔の雰囲気作り
噂には聞いていたが、今回初めて行ってみて、その渋いムードを実感した。「磔磔(たくたく)」は阪急 河原町駅から徒歩3分のところにある、老舗ライブハウスである。ライブハウスとしては珍しく、元々は酒蔵。なんと築110年の木造2階建て!2階には楽屋があるのだが、誰かが通るたびにミシミシ音がするほど、いかにも古い「蔵」。演者はフロア後方の階段を降りて、少し高くなった通路を通って登場する。歌舞伎みたいだ。適度な狭さで、スピーカーも少ないからなのか、シンプルで粒ぞろいの音が聴きやすい。観客の声、スタッフさんの声も聞こえるし、演者のマイクを通さない声も聞こえる。すべての音がこのライブを形作っていて、全体に広がった調和が素晴らしかった。Keishiさんのスカの曲なんて管楽器の響き方が最高だったな。外は極寒だったが、磔磔のなかは温かくて、観客の熱気も相まって風呂に浸かっているみたいだなんて思った。
ライブなんてファンしか来ないものだから成功して当たり前と思われそうだけれど、そんなことはない。誰も置いて行かず、みんなを楽しませるのはすごく至難だと思う。友達になれたかも?と勘違いするほど温かい気持ちにさせてくれてありがとう!
残すは沖縄!
画像等は下記から抜粋させていただきました。
Keishi Tanaka twitter
音楽ナタリー「店長たちに聞くライブハウスの魅力 第4回」
#日記 #エッセイ #コラム #ブログ #音楽 #ライブレポ #感想 #バンド #イベントレポ #邦楽 #keishitanaka #thebandapart