七夕の空と変わらないもの
馴染みの物語
日本で生まれ育ったら、七夕の物語を耳が痛くなるほど聞くことになるのではないのかなと思います。保育園や幼稚園の頃から絵本で聞かされたりして刷り込まれていった物語は一生忘れることはないのではないのかと思うほどです。
小さい頃は毎年、7月7日になれば今年こそ織姫と彦星が出会えるかどうかとドキドキして願っていました。色とりどりの短冊に願いを書いて笹に飾るのも好きでしたが、ロマンチストな女の子にとっては2人の恋の行方の方が大切だったみたいです。毎年飽きもせずに織姫と彦星が出会えているかばかりを気にしていました。
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変わらないもの
「物語だから」という言葉で終わらせてしまえばそれまでなのですが、単純に年に1回しか会えないで引き離されているのにお互いを思い続けているってすごいなと思います。小さい頃読んだ物語たちは「めでたしめでたし」と恋人たちがずっと幸せに寄り添い会うけれど、現実世界ではそんなことばかりではありません。
大人になって抱くのは、織姫と彦星が出会えますようにという願いと、少しばかりの羨ましい気持ちです。恋愛に限った話でなく世界は目まぐるしく変わっていくものです。変化は楽しいし悪いことばかりじゃないけれど、変わっていくことが当たり前の世界で、変わらない確かなものを見つけたいなと思うこともあります。自分をつなぎとめるアンカーみたいなものです。
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性懲りもなく空に願ってみる
変わらないものと変わった物を考えてみたとき、私はいつの間にか自分が七夕の願い事をしなくなったことを思い出しました。少しずつ年を取るにつれ、願い事自体することがほとんどなくなったように感じます。
願っているだけじゃ叶わないこと、願ってなくても行動すれば叶うこともあること、その2つを経験で覚えてしまったからでしょうか。願うことはその行為自体に意味があるものだと思います。それでもいつの間にか忘れてしまっていたのです。
せっかく1年に1度の日なので、今年は久しぶりに願い事を紙に書いてみることにしました。笹もなければ、きちんとした短冊もありません。適当な紙を引っ張り出して小さく切って願いを書きしたためます。吊り下げるところはないので半分に追って今年が終わるくらいまで大切に保管しておくことにします。
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おわりに
七夕に目を向けたのも願い事を書いたのも久しぶりのことでした。変わらないものがあったらいいなあと言いながら、色々変わって忘れていたのは私の方だったのかもしれません。願わくば、織姫と彦星が会えて、私の願いも叶いますように。
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