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2023年5月の記事一覧

人の歴史は続いてる

人の歴史は続いてる

大学の国文科の授業のとき、先生に保元物語にひたすら赤線をひかされた。なんか気になっていたのでずっとその本を持っていた。

その後、橋本治の双朝平家物語を読んだとき、私の住んでいるところにいた人が重要な場面に出てくることを知った。そのとき、同じく赤線に引かれた注釈の吾妻鏡で保元の乱のときの思い話をかたる男。その男が住んでいるところに行ってみた。彼は大庭景義という。

彼の館址は今は神奈川県茅ヶ崎市の

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思いやりは強さだ「忍性」

思いやりは強さだ「忍性」

中井貴一と小泉今日子が主演していた鎌倉を舞台にしたドラマの舞台は
極楽寺駅周辺だった。鎌倉でも不思議が起こる場所なんだなってのが感想。

誰が創建したのか、なぜ重要な場所だったのかは知らなかった。
そこを創建したのは忍性というお坊さんだったらしい。彼が何を成し遂げたのか。その評伝が松尾剛次の「忍性」だ。読んで納得した。

忍性は極楽寺界隈で初めて科学的なやり方でらい病といわれたハンセン病の治療の病

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「中世都市鎌倉を歩く」

「中世都市鎌倉を歩く」

漫画の「新九郎 奔る!」や「逃げ上手の若君」を見てると北条氏が滅亡したあと鎌倉の人たちはどうしたんだろうと思うときがある。
ずばり、権力闘争に関係なく元気に人々は都市文化を謳歌していたというのが答えだ。
だが、時代が進むとだんだん寂れていって、北条早雲が小田原城を造ったときにほとんどの人たちが移住したということらしい。

松尾剛次が1997年に執筆した中世都市鎌倉を歩くは鎌倉を発掘した考古学者たち

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「ながたんと青と」世の中の変わり目

「ながたんと青と」世の中の変わり目

漫画「ながたんと青と」が有料チャンネルwowowで実力派である門脇麦主演でドラマ化されると聞き思わず加入してしまった。
この漫画は日本映画のみでなく、世界的に映画黄金期だった1951年の京都の話なのでぐっと来たのだった。
日本でいうと新しいアメリカの価値観と古い日本の価値観がしのぎあった時代で、ものすごく皆張り切って映画を作っていた時代だ。
小津安二郎、黒澤明、諸々の名監督が名作を連発していた。

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