noteのおかげで自由が大切なんだと思い出して、会社を年末で辞めると仮決めしたら気が楽になった話
6月の終わりから2週間ほどかけて結婚未遂事件について書いた。それまでの人生観を変えるような重大な出来事だったという感覚は確かではあるものの、何しろもう15年以上前のことだから、当たり前だけど完全に記憶の奥にしまわれている。細部はすぐには思い出せないことも多くて、当時のメールを掘り出して赤面したり、友人と久しぶりに話題にしたりしてエピソードを思い出しながら九回に分けてちょっとずつ書くことに。
自分では忘れていたようなことや前後関係を勘違いしていたことも多くて、当時の出来事を掘り出すにつれ、それを脳みそが寝ている間にせっせと整理していたのか、いつもよりたくさんの夢を見た。例えば、出会いから交際の頃を書いていた夜、彼との初めてのデートでワクワクするような夢を見て、当時の感覚を追体験してものすごい幸福感で目を覚ましたりした。昔のことを思い出して気持ちよくなってる私、大丈夫かオイオイと思いつつ。最後の方で結婚を取りやめることを書いた日には、当時の職場の同僚にその決意を報告する夢を見て、目覚めた時はジャンヌダルクみたいな力強い気持ちになっていたり。
実際に脳内でどんな処理がされたのかは良くわからないのだけど、書くというプロセスがすごく癒しになるな気がついた。そして、改めて思い出したのが「私にとっては、自由と遊び心がすごく重要」ということ。それは、お金よりもずっと大事だということはあの時の意思決定で証明済みでもある。
翻って、あれから15年以上経って、会社員として働きながらお母さんと妻をやっている私の心は果たしていま自由なのだろうか、と振り返ると、そうでもないなと感じてしまうことがたくさんある。それであのシリーズを書き終えた前後のある日、代々木八幡でサウナに入っていたら頭の中で声が聞こえた。
「もう、いいんじゃないの、ワカメちゃん」
「結構、頑張ったと思うよ」
洗い場のプラスチックの椅子に座ってクールダウンをしながら、「そうだ、会社やめよう」と思い、退職日は仮に2023年の年末においてみた。それで残っている有給の日数をカウントしてどこまで出社しようと考えたり、今の会社にいるうちに補助が受けられる制度を思い出し、コーチングの資格取得コースにも申し込みをした。レジュメを作って転職活動もしなくっちゃ、と体が動き出す。退職願いは、1ヶ月前でいいのでまだ出していないし、もし気が変わったらそれはそれでいい。
そしてもう一つ、仕事のチームメンバーとの関わり方が変わった。
今までは遠慮して言わなかったようなことを口にするようになった。会社の体制が変わっていくのが不満で、仕事のモチベーションが上がらないというメンバーに、今までだったらひたすら聞いて、聞いて、聞いて、聞いて、どうやったら意味を見出せるかなという壁打ちをするだけだったけど、今回は話を聞きつつも言ってみた。「でもさ、そもそも会社が一生面倒見てくれるって契約じゃないんだから、もし体制の変化が自分の価値観に合わなくなっちゃったなら、転職も含めて他を考えた方がいいよ。世界中にいくらでも仕事なんてあるわけで、『リーダーが私に合わせて状況を変えてくれるべき』って思うのは傲慢じゃない?」と。「退職勧奨された!」とHRに通報されるかもしれないと思って今までは遠慮していたけど、もはやどうでもいいのだ。えへん。
でも意外に、この件については特にそのメンバーは怒り出すこともなく「言われてみればそうですね」と、考えるきっかけにしてくれたらしい。
ということですっかり気が楽になって、逆に会社辞めなくても平気かもって気分になってしまったのが不思議。「どうせ年末で辞めるからいいや」と思うと、細かいことが一切気にならなくなる。例えば今までの定番の悩みだった人間関係のあれこれを誰かに話していても、話している最中から「あー、どうでもいいなこの話」という気分が混じってしまうくらいなので、もしかしたら思い詰めやすい人はいつもそういう気持ちで働くのがいいのかもと思った。「ダイエットは明日から」ならぬ、「この会社は年末まで」。
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