
【入門編】あなたも管理会計によって動かされている?!
お疲れ様です。エンゾです。
管理会計って結局何ぞやと思った方、いるのではないでしょうか。経営者や管理者はもちろんのこと、一社員も管理会計によって動かされているかもしれません。
この記事は「管理会計って経営層が管理するためでしょ」というくらいの理解度をもう一段深めたい方向けに書いています。
1. 管理会計とは
まず会計とは、組織の活動を主として経済的なデータを記録・集計・分析・報告するものです。
会計にも種類があり、大きく分けると
①財務会計(制度会計と呼ばれるところもあり)
②管理会計
があります。
簡単に言うと、財務会計は主に財務三表と言われる損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書を組織外のステークホルダーに向けて発信する会計データを取り扱います。
一方、管理会計は上記のデータをもとに、組織内部の管理のために将来志向で予測・分析・報告がなされます。管理会計のルールは企業によってさまざまであり、組織全体の目標がどうであるかによって変わってきます。
一般的な企業に勤めている方で、経理財務領域に属していない場合はあまり関係ないよ、なんて思ってないでしょうか。
実際はあなたも管理会計によってコントロールされているかもしれません。
2. マネジメントコントロールと管理会計
マネジメントコントロールとは、分権化された組織のメンバーが、全社目標の達成に向けて業務遂行できる管理をすることです。
例えば、あなたが社長だとして、100人1000人といった全社員を管理の上意思決定することは難しいですよね。なので、下位の管理者に権限を委譲します。
そして、管理者には何らかの方法で組織のミッションや目標と整合させた意思決定権限を持たせるために働きかけをしなければなりません。それがマネジメントコントロールです。このコントロールの仕組みを体系立てて、経営に情報を集めるために管理会計が活用できるのです。
3. 管理会計でできること
結局どういうことができるようになるの?という疑問をここで解消してください。
可能になること
経営目標達成の促進
経営目標達成に向けた進捗状況を把握し、必要な対策を早期に講じることができます。
予算管理や原価管理を通じて、効率的な資源配分を促し、収益性の向上に貢献します。
意思決定の質向上
経営状況や市場動向を分析し、客観的なデータに基づいた意思決定を支援します。
コストや収益に関する情報を提供することで、より適切な戦略選択を可能にします。
業務効率化
業務プロセスやコスト構造を分析し、無駄を排除することで、業務効率化を促進します。
生産性向上やコスト削減につながり、企業の競争力を強化します。
リスク管理の強化
財務状況や事業リスクを分析し、潜在的な問題点を早期に発見することができます。
リスク回避策や対応策を事前に検討することで、企業の安定的な経営に貢献します。
従業員エンゲージメントの向上
従業員のパフォーマンス評価や目標設定に役立ち、モチベーション向上に貢献します。
従業員に経営状況や目標を共有することで、企業への理解とエンゲージメントを高めます。
よくある課題
コスト発生
管理会計システムの導入や運用には、人材やシステム費用などのコストが発生します。
特に中小企業では、導入コストが経営上の負担となる可能性があります。
情報過多
膨大なデータが収集されるため、必要な情報を見つけるのが難しい場合があります。
情報の分析や解釈に時間がかかり、意思決定のスピードを遅らせる可能性があります。
データの信頼性
データの収集や分析方法が適切でないと、信頼性の低い情報が得られる可能性があります。
誤った情報に基づいた意思決定は、企業にとって大きな損失につながる可能性があります。
柔軟性の欠如
管理会計システムは、企業の規模や業種によって異なるため、柔軟に対応できない場合があります。
変化の激しい市場環境では、迅速な対応が求められるため、管理会計システムの柔軟性が課題となる可能性があります。
人材不足
管理会計の専門知識を持つ人材が不足している場合、システムの導入や運用が困難になる可能性があります。
人材育成には時間とコストがかかるため、企業にとって大きな負担となる可能性があります。
4. 次回予告
初歩的な内容として管理会計の役割をご紹介しました。管理会計や原価計算をご自身の仕事に関わりがないと思われている方も関係性があるはずですので、十分に理解してアクションにつなげると、会社の利益につながる意思決定ができたり、自身の評価向上にも寄与する可能性が高いです。
次回、基本的な管理会計の機能について書きたいと思います!