野球場から見た City の A-A’ 断面
サードベースのむこう 田舎では
もっとひどい田舎行きのバスの切符を買うか集めるかするいがいなかった
いないと思っていた娘とめぐり合い、いるはずのない兄とは小さな屋台で語り明かした
「いやあもう飲めないんだ」兄もまた下戸である
二十五円でどこまでもいけた路面電車が終わる時刻
だれもがそういう時刻を持っている、なあんて言ってみたいが
田舎ではまずうけない
セカンドベース上ではきょうも草をむしり、墓を洗う祖母にであった
アセチルサリチル酸 …… 0.33g
ダイアルミネート …… 0.15g
(アルミニウムグリシネートと重質炭酸マグネシウムの 1:2 の混合物)
その祖母が常用したなにかの薬一錠あたりの成分である
重さにすれば軽く、距離にすればそういった祖母一般の歴史は短い
ほとんど見えないくらい細かな波だけが彼女の岸辺をおとずれ、病いだけを残し、記憶以外をさらっていった
なお小児用にはフルーツ味があるらしい
ライトフェンス越しにはもうなにもない
あくる日にも雨や波がしたたり、秋のあとにも秋がくる
起きる時間を変えて一日の時間を変えてみる
起きる時間を変えずに一日の時間を変えたりもしてみたが
どんな予報も《当たるかただ外れる》だけである
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