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ひらがなのちから/おかあさん

娘から次のテーマは、「ひらがなのちから」と申し渡されてから、かれこれ1週間以上経っている。
娘はあっという間に書き上げ、旦那はコツコツ書いて確実に締め切りに間に合わせている。
私はといえば、締め切り前日になっても書くことができないでいる。娘には「何で夏休みの宿題みたいなことやってんの!」と怒られる始末である。

そんなこと言ったって……

「あんたみたいに、ちゃっちゃか書ける人と違うんだから…」
と言いたいような気がする。

「大体さぁ『ひらがな』って『力』ありましたっけ?」
と言いたいような気もする。

……ひらがな、ひらがな、ひらがな……

「ひらがな」というと、子どもたちが幼い頃を思いだす。
「オギャー」と生まれたときは、ただ、ただ可愛くて、笑ったといっては喜び、泣いたといっては、抱っこしたり、オムツが濡れてないかと触ってみたりしていたものだ。
そのうち、たちあがったり、ハイハイしたりしながら、「ママ」とか「まんま」とか、言葉がではじめる。
「今、ママっていったよね?」なんて、大騒ぎしたものだ。
また、クレヨンや鉛筆などを固く握りしめて、紙の上に、点や線を書くことに興味を示し始める。
親は、そんな小さな変化を成長の証(あかし)と感じ、その都度大喜びする。
潰れた〇のような線を描いて、小さな指で指差しながら「ワンワン」なんて言おうものなら、大変だ。
「『ワンワン』って、言ったよ!」
「この〇が『ワンワン』なんだって!
すごいね~。
『ワンワン』ってわかるんだね。」
「お利口だね~。」
なんて、子どもの頭をなでたり、ほっぺにちゅーしたり、抱きあげたりしてしまう。

歩いたり、走ったり、お友だちとおしゃべりしたり、遊んだり、絵本を読んだりできるようになってから、わが家のこどもたちは「ひらがな」で少しずつ「自分の名前」を書けるようになった。
ひとりひとりが、遊びながら、笑ったり泣いたりしながら、書けるようになった。
保育所の4~5歳くらいに、「ひらがな」をお絵かき帳に書いてたっけなあと、思いだすと、ほのぼのとした気持ちになる。

たかが「ひらがな」されど「ひらがな」

こうやって振り返ってみると、「ひらがな」は、子どもが生まれてから、何年もかかって、たどり着くものなんだなあと、しみじみ感じた。…笑ったり、泣いたりしながら…

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