
生きるコツ1月4日・百読のススメ~みうらじゅん著『ない仕事の作り方』~放送作家の本の読み方
昨日、大谷選手が高校時代にやっていたマンダラチャートを自分でも作る作業をした。自分でも殊の外、自分を見直すきっかけとなりこの日もいろいろと脳内模索をした。
この中で「本を読む」というアウトプットがいくつかあるのだが具体的に掘り下げたくなった。つまりは「どう本を読むか?」「どんな本を読むか?」 基本的には職業柄、本好きなので勝手に興味ある本を読むのだがもうちょっと意図的な読み方を今年はしてもいいかなと思っている。というのも今まではその時、興味あるジャンル、テーマを何冊か買うスタイルを長年やってきた。
例えばこんな感じだ。


日本の死刑、さらには死刑執行人ついて興味を抱くとそれを買い、「さくらももこ」さんの展示会に行った時には俄然興味が沸いてもう一回エッセイ読みだしたり、、、
これは完全に放送作家としての癖なのだがあるテーマを番組で取り上げる時に一冊の本だけではどうしても著者の知識の偏りが出るために4,5冊は読んで周辺知識を固める作業としていつもやっていたことだ。その名残が今もある。
(ちなみにこの周辺の本を読むのがいいのは何冊か読んでるとポイントが分かってくる。また、著者が異端児でもその一冊だけなのでそれを鵜呑みにすることもなくなる。何よりその業界の最先端とか、今の課題とか。そうなると疑問も出てくる。で、大学教授とかその辺の専門家にも質問出来るようになる。いわば、一冊も読んでない素人の時は「何が分からないのか、分からない」状態から「ここが分からない」という状態にシフトする。私はよく専門家へのインタビューや池上彰さんとかに会う前もこの本の読み方をすることでスタッフとしての最低限の知識は蓄えて打ち合わせに臨んでいた。テレビの場合は10分ぐらいVTRを作るのに十分過ぎるレベルなのだ。というかそんなに紹介出来ないのがテレビでもある。でもこれはひと昔前の話で今のテレビはロクな勉強もしてないのはすぐに分かる。。。予算も時間もないんだろうな。)
書き手としてプロを目指す方にはおすすめの本の読み方だ。ノンフィクションだとうと小説だろうとその世界を知ろうと思ったら周辺の本を読みまくるのは基本だと思う。かつ好きな作家さんの文体やら思考を真似たいという人にも有効だ。
で、このスタイルはこれでいいんだけど、51歳の私は違う問題にぶち当たってきた。それは・・・内容を忘れる問題である。いい本に出会ってもその瞬間はいいんだけど、血肉なってない気もする。
そこで今年は「百読のススメ」を掲げたい。
これはさっきの周辺の本を読みまくるとは逆にこれだと思う一冊を100回読んだ方がいいんじゃないか?という考えだ。
この歳になると大概の考えに出くわす。その中で取捨選択しながら生きてるんだけどどうしても忘れることがある。基本の大事なことを反復練習ならぬ反復読書をした方がいいのではないか!
その中で私が本棚から出したのがみうらじゅんさんの「ない仕事の作り方」である。
今年のテーマでもある「話題性」のある何かを作ろうと思ったときに「オリジナリティ」という項目をマンダラチャートに挙げていた。
でもオリジナリティって「0から1」を生み出すのって至難の業だなと我ながら思うのだがふと、みうらじゅんさんを思い出した。そうだ、すでに読んでるじゃないか!で今改めて読み直している。
もう50歳を超えた私はすでに「オリジナリティ」出す解答に出会っているのだがやはり、つい忘れてしまうのだ。なんか今の自分に必要なのはすでに買ってある本にあるような気がする。(若い人はたくさん読んでください)
これはいいおっさんである私ぐらい世代にはおすすめなんじゃないかと思っている。
この「ない仕事の作り方」にはネーミングの重要性が説かれていたり、「発表することの大事さ」さらには「好きじゃないけど、自分を好きだとお思わせる洗脳が大事だ」「普通の人が否定するところを、そこがいいんじゃないと肯定すること」など珠玉のノウハウが連なる。
私もふと思い出す。今から20年前だが「給与明細」という番組をやっていた。その中で「ネオニート」という言葉を編み出した。これは就職する意志も能力もあるのだけれども見た目の問題でことごとく、就職に失敗し親の遺産を元手に株で生活する「ネオニートの矢野さん」と紹介したときだ。
YouTubeで一部映像が残っているので興味ある方はどうぞ。

放送当時、「ネオニート」は番組が勝手に作った動画だが言葉は独り歩きした。当時のSPAにも掲載されたと思う。
あと「アキバ2.0」という言葉も編み出した。
これは2枚目なんだけど、2次元の世界が好きでかつ、女性経験が0ということをもじって当時流行っていた「Web2.0」にかこつけた言葉だった。



元々はリーダーの男性の「30歳まで童貞を守ると魔法使いになれる」というフレーズがきっかけで逸材を見つけたと思ってシリーズ化した企画だった。こっちの「アキバ2.0」は大きくブームにはならなかったが映画監督の押井守さんが著書で触れているのも見つけた時は感激したものだ。
なんか話が脱線したが、百読のススメはこれからも連呼しよう。
百読しあったもので語り合うのもいいだろう。
名作を一読で終わらせるのは人生の損失だ。
あれはつまらないというより、いい作品を一言一句読むほどの熱量で読んだまさに自分の血肉となってそうだ。
いいなと思ったら応援しよう!
