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「それぞれの出会い」のストーリー

 2007年9月5日、当時のSNSの走りとして人気だったMIXIに博士の著作「筋肉バカの壁」の解説文を頼まれもしないがそっとアップしていた。すると数日後に博士からお礼のメッセージが届き、それは天にも昇るような気持ちだったし、その後、渡独する際はそれほど面識があったわけではない私の送別会にサプライズで来ていただい事を今でもよく覚えている。
あれから15年ー--。

あれから1年

 2022年8月18日、還暦を迎えた水道橋博士の生誕祭が開催された。
 昨年は阿佐ヶ谷ヤング洋品店Vol.20「水道橋博士生誕祭 59才 真夏の大冒険 年表の鬼!」と題して開催されたのだが、あれから1年が経つ。

 大人になると、月日の流れの早さに戸惑うのは私だけではないだろう。このままジジイになって気が付いたら棺桶に中にいそうだ、、、と年間85回ぐらいは頭を過り、とうとうこんな本も買ってしまった。

狭い空間にい過ぎると早くなるという

博士のこの1年、アサヤンのこの1年

 時の流れの早さを感じつつも、博士の1年、アサヤンの1年を辿るとあまりにも濃密な時間が過ぎた。

 Vol.21『出禁の男』解禁〜蘇るテリー伊藤『アサヤン』伝説
 Vol.22「 世界の園子温監督「アサヤン」に降臨!!
 Vol.23 「男(イケメン)はつらいよ」〜北見寛明一代記〜ドキッ!!イケメンだらけのアサヤン大会
 Vol.24 藝人春秋Diary 大読書会
 Vol.25 『その男凶暴につき』〜ガダルカナル・タカ一代
 Vol.26 Netflix『浅草キッド』配信記念!!劇団ひとり劇場!
 Vol.27 和田彩花個展〜伝説の歌姫 阿佐ヶ谷に降臨〜
    Vol.28 山本太郎vsメロリンキュー〜総決起しない集会〜
    Vol.29 美しく生きろ!!”超歌手”大森靖子降臨
    Vol.30 維新 vs スラップ被害者の会 総決起集会〜With〜Laughで(笑)
 Vol.31 すべての武器を楽器に!すべての人の心に花を〜ハイサイおじさん・喜納昌吉参上!
    Vol.32 やつらを喋りたおせ! 輝く我が名ぞ 反維新タイガース!!!
    Vol.33 歯医者と音楽家による、君とマニョマニョ語ろう!
    (番外編)水道橋博士&れいわ新選組総決起集会!

 苛烈だ、劇的だ、爆発だ。私の師匠でもあるテリー伊藤さんの登壇から、園子温監督の登壇。(その後、映画界のセクハラ問題なんてこともあった。)浅草キッドの配信記念会では、石倉三郎師匠のタップダンスには爆笑し、反維新タイガースにおけるフランス10の及川さんの暴走ぶり、金子吉友さんのヤバすぎるパソナ人脈の解説など、限りないほどの思い出がよみがえる。(この辺は年末あたりでテレテレビジョンで水道橋博士賞でもやりそうだが。。。)
 とかく松井一郎大阪市長からの恫喝事件以降は、特にTwitter界隈では一躍時の人になっていく瞬間を目の当たりにすることとなった。正直、何をどう書いていいのか、筆が止まる。これは、今回の参議院選挙に密着した青柳拓監督ではないが、素材が多すぎてどう切り取るべきか分からない事態である。

 こういう時は何のために、この記事を書いているのかに立ち返らないと分からなくなる。はっきり言えば、この記事はまだ、アサヤンを(今回はアサヤンではないが)ライブをまだ、観てない方にその魅力を伝えるために、配信後のアーカイブを観てもらうのが第一義であり、生で観てもらった方には
解説的な背後のエピソードとして楽しんでもらえればという目的だ。

今回のライブの魅力とは何か?

 端的に言えば、「それぞれのあれから」ではなかったか?
 博士の60回目のバースデーであり、博士の人間曼荼羅という面がもちろん、大前提ではあるのだけれども、「エガちゃんとのあれから」「松ちゃんとのあれから」「マキタスポーツとのあれから」「三又又三とのあれから」etc.付き合ってきた濃密な時間だけがもたらす互いにしか、分からない「あの時の空気」と「今、再び同じ時間を共有できる喜び」がつまったライブだった。(そしてファンの方々にも、きっとそれぞれのあれから、があるはずだ。)と書くと何だかノスタルジック溢れるライブにも聞こえるが、一流の芸達者なものたちの特別なパフォーマンスが時に心を揺さぶり、爆笑へと誘うことはお約束しよう。(ここから先はチョイネタばれもあります。記事を読むか?配信を先に見るか!)

水道橋博士の生誕祭スタート!

 アサヤン同様に、長谷川カイマとドルフィンソング佐野によるラップで開演。そしてアサヤンのテーマソングを歌うKeepwalking(ちゃびりぼんさんとのりたまさんの双子のアーティスト)2曲披露。

博士からの出演依頼は銭湯で byちゃびりぼん

 OP映像は原田専門家編集による、ツァラトゥストラはかく語りき〜イエスタディ・ワンス・モア〜威風堂々〜で博士の思い出のシーンと共に。

カーペンターズが郷愁を誘う

 暗転を開けると、そこには・・・。
 そしてこの日の進行には、同じく8月18日生まれのドルフィンソング三木が担当。多分27歳。当初の狙いでは8月18日生まれの人を集めてのライブを予定し、そのブッキングのラインナップを確認。

浅草に帰ってきました!!!
「大抜擢ですやん」三木風。
今宵は総合演出の高須SAN

 そして今、博士が大ファンと憚らない「大森靖子」さんのライブへ。
博士「これだけで、お金を払った元は取れますから。」まずはYouTube、街録chのテーマソングである「Rude」を披露。圧巻のステージは浅草という町を一瞬にして新宿へと変えていく。

猛れ!猛れ!猛れ!!!

 「Rude」からの「新宿」「パーティードレス」「君と映画」「死神」(一部不明確な部分あります。)を披露。ライブならではのアレンジありと情感がたっぷりと詰め込まれた歌唱ぶりに痺れまくる。

三木「まず、このお召し物、可愛らしいですね」博士「何、お前、年長の司会者みたいな」w
大森「今日、浅草で買ってきました」

 実はこの日、大森靖子さんの結婚記念日でもあり、博士も思わず
博士「巻き込まれてしまって、、、ごめんなさい」
大森「ええ、、全然大丈夫ですよ」とはおとなの対応をしてくれたが本当の所は分からないw。

 で、見てるだけの立場から、促されての「漫才やります!」宣言。

ドルフィンソングとのトリオ漫才

 歌を交えた60歳・博士のネタを披露。ちなみに楽屋では壊れたレコードのように何度も歌を練習する博士の姿があったことは記しておこう。

 つづいて博士の選挙期間中に偶然、誕生したザ・ペニパンズが登場!と書いても9割以上の方が何を言ってるのか?分からないと思うが三又又三さんと原田専門家と選挙スタッフによるメンバーからなり、この日は二人での演奏に。バンド結成の裏話から、バンド名にまつわる爆笑エピソードが語られる。(三又さんはちょっとだけ、噛んではいたけど)

ボクはね、もう三又ダンスとか笑われたくないんです!
街頭演説で好評だった「ハラヘリの歌」原田専門家

「セックスピストルズ」に対抗して名付けられたという「ザ・ペニバンズ」。ラジオへの出演依頼も続々と届いてる模様。そんな中、三又又三の「博士との出会い」をとくとくと語る。三又さんと言えば、クズ芸人、クズ芸人と言えば、三又さん。ぐらいの感覚でずっといたので、素敵すぎるエピソードにびっくりしたし、笑った。(この辺は本当にライブ映像でご確認いただきたい)(あまり、言いたくもないが三又さんのトークライブ、雷雨決行での話術は見事なものである。)

 で、さっきまで「もう笑われるような三又ダンスはやりたくないんです」と言いながらの脱ぎだす始末。これはやはりダチョウ倶楽部さんではないが
展開が分かりまくっていても面白い。もっと、もっとこすってほしい。飽きられても飽きられてもやってほしい。

で、博士も。。。

 博士「俺はこの間、れいわ新選組の懲罰委員会に掛けれて、もう人前で裸らにならないって決めてたんだから」とフリを入れながらの・・・。

見よ!この体型を!体もシンクロする二人に爆笑

 議員になっても変わらず、ということでしょうか。議員と芸人の二刀流ぶりを堪能する。(とすっかりネタばれですが。。。動いているところを見てください。爆笑します)

 そして日中、花やしきで一仕事を終えたチンコさんこと、よしえつねおが登場!

よしえ「子宮(49)に優しい男から、50歳になりました。」
三木「(50にもなって)まだ、うんこちんこ言うてはるんですか?」
三木「あの、武田信玄入ってますよね」よしえ「(アニマル浜栗)気合だ!!」

 よしえ「気合いだ!行きますよ!気合いだ、気合いだ、博士、博士、博士。。。」の連発に爆笑する。勢いって大事だな。
 笑いの濃度が次第に増していく。。。そして有名政治家としてあの人も登場。

スーツを電車に忘れ、楽屋でてんやわんや。。。なんとか本番に間に合い、小泉純一郎に

 もはや完全なる名人芸、松村邦洋さんが登場。
 松村「自分のことを『小泉』と言い出したのはキョンキョンが先で、、、」と虚実入り混じながらの話芸は支離滅裂なのだが笑ってしまう。麻生太郎のモノマネでは「みずみちばしひろし君はさ、、、」思想の拡大解釈ぶりも。(以前、未曾有を、みぞうゆうと読み間違えネタをベースに)

 そしてついにあの男も。

与党、野党?いいえ、エ党(江頭)です!

 博士の浅ヤンの盟友、江頭2:50がついに登場。
 まさかのVTR出演のみ?からの。。。

まだまだ走ります!
博士とエガチャンと。

江頭「3階席の高須!」
博士「えっ、かみついた。浅ヤンを演出してくれた人ですからね。」
江頭「今日、お前をぶっ殺す!!」
客席「(爆笑)」
江頭「30年前、俺アイツの演出で何回も死にそうになったんだから」
高須「久しぶりー」
江頭「のん気な声で話すんじゃないよ。金萬福めちゃくちゃ怒ってたよ」

 と「あれから」どれぐらいの月日を経たのか?久々の高須演出でのエガちゃんいじり。そしてエガチャンの暴走。。。テレビではないので誰も止めない、咎めない事態に。
 そして今やYouTuberとして活躍するエガチャンがブルーハーツの「青空」を熱唱。当時の懐かしい映像も見れます。

江頭グランブルーの特典映像も

 そしてエガチャン本人から江頭グランブルーでの思いを語る。本気で命を掛けていたことを改めて知る。これは貴重な証言であった。

何気にエガチャンの右手に笑う

 つづいてはいかにして博士が議員になったのか?ずっと密着していた青柳拓監督は特別に編集したものを紹介。今年中の完成を目指し、来年の公開を狙うとのこと。(ちなみに青柳監督は町山智浩さんの紹介で、博士とつながったとご本人から教えてもらった。)

水道橋博士の「お笑い参議院選挙」編集中。めちゃ楽しみです。

博士「僕はね、編集に一切口出ししないですから」

 そして、もうひとり名人芸と呼ぶにふさわしい男、マキタスポーツが登場。

どうも月亭可朝です。

マキタ「今やすっかり性格俳優として、、、」と出だしから笑いをさらう。そして「博士との出会い」、浅草キッドのキッドであった頃のエピソードを披露。どこの芸能事務所にも見向きもされない中で、キッドだけが認めてくれた話は感慨深い。人生の答え合わせというのかな、今のマキタさんの芸達者ぶりを見れば、にわかにそんな時代が、、、と過るが一方では玄人過ぎてテレビ向きじゃないという指摘があった過去も思い出す。ご本人が自虐かどうかは分からぬが「性格俳優で、、、」というが、芸人・マキタスポーツを堪能できる時間も嬉しいものだ。

博士「いや、本当に歌も上手いから」とフリを入れながら、その前に、、、
相棒、玉袋筋太郎さんから祝電を披露。その内容とは・・・。

町中華のロケ?今日は来れません
浅草キッドを熱唱

 マキタさんの心に刺さる歌いっぷり。
 議員となって聞く博士の心境はいかばかりか、、、至福のひと時ではないのか?
 そして博士へのサプライズ動画が。

盟友・町山智浩さんから
事務所社長の枝豆さんと専務のダンカンさんから
球児・好児師匠からも
最後は奥さま、千枝さんもステージへ

 そして愛娘、文ちゃんからの手紙も。ドルフィンソング三木くんが代読するももらい泣き。あーあ。そして博士の新たなる決意表明へ。国会議員として博士の活躍に注目です。

生まれ直しします。

 今回の生誕祭が企画された時点で、まさか博士が国会議員になっているとは想像だにしておらず、人生で何が起こるのか全く分からないとしみじみ思う。で、これがまた、博士と人生を交わった人々もまた、博士を通じて人生に劇的な変化を味わっている人がなんと多いことか。

 昔、「最強伝説黒沢」という漫画の冒頭でサッカーのワールドカップで「何で人は自分のことじゃないのにそんなに喜べるんだ」とつぶやく主人公がいたが、「喜びを分かち合うのが人生じゃないか。」という気も今更ながらに過る。少なくともライブ会場に足を運んでくださったファンの皆様の表情、拍手、歓声を目の当たりにした。多くの方が喜びを分かちあったのではないかと思う。まだ見ていないあなたも、ぜひご覧になって下さい。

https://owaraitv.zaiko.io/e/20220818s-hakase

総合演出:高須信行
スタッフ:原田専門家
プロデュース:水道橋博士
制作 :TAP

写真提供:中山友美 利根川亘
      Instagram:tomomi.photography
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執筆者:島津秀泰(放送作家)
     Twitter:@shimazujaoriya
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ここまで読んでくださった方へ

 私へのささやかなご褒美ではありませんが、30秒、いや、そっと番組を見て、そっとチャンネル登録をお願いします。YouTubeのアカウントがあれば0円です。何卒、ごひいきにしていただければこれ、幸いです。m(__)m
「Planet of Food」は世界の主婦と柴犬による食にまつわる異文化交流ショーです。博士にも出演した回のダイジェストばかりをつないだSP回です。

 夏場に食べたい料理2

追記:本番前、江頭2:50ことエガチャンと話す機会があった。私からすると、エガチャンと仕事を3回ほどしたレベルであり、こちらは当然、覚えているがエガチャンは覚えてないだろうということは分かるので、きちんとご挨拶させてもらった。
 というのも私はテリー伊藤さんが代表を務めるロコモーションに入った時に最初に参加したロケがエガチャンと出川哲郎さんがメインを張るという今で言えば、何とも豪華な感じだが1996年当時は、テレビ東京の深夜の15分番組であった。
 その名も「夢の船!未来丸」という番組だ。もはやWikipediaにも記事化されてない番組だろう。その時は、船の上でかくれんぼする企画でエガチャンは甲板デッキの緑色に同化し、(背中には甲板デッキの色のグリーンのペンキを体に塗りまくっている。)「あれ、エガチャンじゃない!!」」と言った瞬間に床に伏せるというネタをやっていた。滞りなく収録は進んだかに見えたが、問題はその後、だった。エガチャンに塗ったペンキが油性であったために洗剤では全く落ちないという事態に及んだ。とりあえず、雑用係の私はエガチャンの体についたペンキをたわしでごしごし落とすというのが仕事だった。当然、全裸姿で泣き叫ぶエガチャン。丸出しのエガチャンを何とかしたい私。かたや、現場では「とっとと、エンディング撮って打ち上げ行こうぜ!」と叫ぶディレクター。しかし、こちらはひたすらの修羅場だった。最後はエガチャンに石油を掛けるしかない!!という「油には油を!」という解決法を人生でこの時、初めて学んだのだが。。。
 すべてはADの失態なのだが、ロコモーションという会社の杜撰さを知るようでとんでもない世界に来たもんだ、という思い出話をエガチャンとし、昔話に花を咲かせたいい時間でした。で、その後の写真。
 


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島津秀泰(放送作家・動画制作・インタビュー・文章作成)
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