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福神いろいろ。

先日12日は甲子で大黒さまのご縁日でした。
12日は終い大黒。次の甲子はもう新年です。

高野山奥の院の御供所には
大黒さまと弁天さまと毘沙門さまがお祀りされていますが、
甲子の日には大黒さまがご開帳され、特別御朱印を授かることができます。

福神といえばこのお三方はすぐ思い浮かぶと思います。
この方たちは七福神の宝船に乗っておられるメンツでもあります。

他は恵比寿さま、寿老人、福禄寿、布袋さんですね。
布袋さんは仏教系ですが、他は中国の仙人と日本の神さま。

日本のお寺では、お寺を維持するためのお力を貸していただく
鎮守さまがお祀りされていますが
日本の神さま以外にこういった福徳神が
合わせてお祀りされていることも多いです。

特に大黒さまは食べることに不自由しなくなる
という徳をお持ちなので、お寺の台所におられます。
加行でも食事のたびにご供養してましたよ。

お寺の奥さんを大黒さんと呼ぶのはそこから来ている
と説明されたりしますが、
実際大黒さんと呼ばれてるのを聞いたことはないなあ…🤔

ちなみに弁天さまは人との関わり、コミュニケーションから
もたらされる財に関係があり、
毘沙門さんは勝ち運、競争相手のいる市場で抜きん出ること、
家庭の安定から来る福に関わりがあります。

同じ福徳神といっても、得意分野が少しずつ異なっています。
とはいえ、通じて財や福をもたらしてくださることでは同じ。

ご自身のピンと来る方を信仰するのもよろしいかと思います。

数年前にガネーシャの本がベストセラーになって、
仏教でのガネーシャ的容姿の聖天さまが注目を集めたりしました。

聖天さまも福徳の神さまですが、欲望を我慢できない人に対して
望むところを与えることで満足させて仏道に進ませるという徳をお持ちです。

もともとはビナヤカという障礙神で常在魔とも言われ
人の回りに常に付いて回って、悪いことをするように囁きかける魔物。
そういう魔物が十一面観音さまに説得されて護法神になったという方。

十一面観音さまが聖天さまを説得した方法というのが
美人のビナヤカに化けて惚れさせて私が欲しかったら
仏法を護持しなさい❤️というハニトラ的方法。

聖天さまのお像は双身のものが多いのですが、このうちの
片方が十一面観音さまが変化した女性のビナヤカを示しています。
冠をつけ、男性の足を踏んでいるのが特徴。

聖天さまのお像はほとんど秘仏になっていますので実見する機会は
あまり多くはありませんが、もし拝見する機会があったら
足元に注目してみてください。

衆生に世福を与える福神が天部の神さまばかりなのは
神さまにはまだ娑婆っ気が残っているので
それを求める人々の気持ちも理解できる、ということでも
あります。

神仏にするには憚られるような欲願も叶えてくれると
言われることがあるのはそういうところからも来ているのですが
とはいえ天部の神さまも仏法を護持する護法善神ですので
仏法に反した願いは叶いません。

大黒天さま、毘沙門天さまや聖天さまの眷属には
ダキニや夜叉やビナヤカがいてそれぞれの方のために働いています。

それぞれの神さまは眷属を抑えながら教化しているのですが
人の欲願を聞いているうちに身を誤るものも出てくることがあります。

また、そういう神さま方の眷属であると思わせて欲願を叶えてみせる
ものもいます。

ダキニや夜叉やビナヤカはもともと魔物。
ですので、そういうものとつながらないような願いを
私たちの側が持つことが大切です。

よい願いを持つということは、自分や人類のためだけではなく
目に見えないものたちのためでもあるのかもしれません。


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