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弥勒菩薩は眠らない。

夜は涼しくなってきたので、だんだんよく眠れるように
なってきました。

夜はすっかり一足飛びに秋ですね。

5日は弥勒菩薩のご縁日でした。
弥勒菩薩は未来仏。
お釈迦さまが入滅されて56億7千万年後に
仏となってこの世界を救ってくださることが
決まっている方です。

現在は兜率天で菩薩として修行しておられます。
次は兜率天に生まれ変わって、弥勒菩薩が如来となって
この世界に来られる時に一緒に下生してきます!と
言っておられたのがお大師さま。

高野山奥の院でお大師さまが入定して弥勒菩薩の下生を
待っておられる、というお話も以前しましたけど。

実はこの思想はお大師さまが入定されて100年ほど経ってから
起こって来たもの。

それ以前に成立した「御遺告」には
「われ、閉目ののちは兜率天に往生し、弥勒慈尊の御前に仕え、
五十億余年ののち、必す慈尊とともに下生せん」
という記述があります。

この「御遺告」もお大師さまご本人が書かれたものではなく
お大師さまに仮託して書かれたものとされていますけどね。

お大師さまが今いらっしゃるのが兜率天なのか奥の院なのかは
ともかくとして、とにかくお大師さまは弥勒菩薩と
一緒に働きたいと思っておられたのは確かだと思います。

弥勒菩薩はお釈迦さまの生前の弟子の一人で、
実在の人物だったといわれています。
授記をうけたのもその頃だったとか。

授記についてはこちらも参考に。

56億7千万年後に再びこの世界に下生し、
龍華樹の下でさとりを開かれた後、
そこで3回にわたって説法して
概ね280億人くらいの人をさとりに導くことになっています。

弥勒菩薩が今おられる兜率天に行くことで
一緒に仏になる修行を積んでさとりを開きたい、という
「兜率上生」を願う人と
弥勒菩薩が下生されて仏になられた時の説法を
聞くことでさとりを開きたい、という
「弥勒下生」を待つ人とがいます。
どちらも阿弥陀信仰に先行した浄土希求型の信仰と
なっていましたが、後者の方が難易度は低め。

奥の院で眠る方々はこの信仰によって眠る場所を
そこに定められたわけですね。

弥勒菩薩が下生される時にはこの世界は
非常に理想的なユートピアになっていると経典に書かれているため、
「弥勒の世」を求める信仰や新興宗教などが時折流行しています。

この弥勒信仰は仏教には珍しく救世主を期待するタイプの信仰で、
終末論や世直しを掲げ反体制的な活動を起こすこともありました。

しかし弥勒菩薩は別に下生してきたとき初めて衆生を救済する
働きをされるわけではありません。
今も兜率天で修行し説法を行って多くの菩薩を教化していますし、
菩薩は全て衆生済度がお仕事です。

仏さまには時間空間は関係ないので、
兜率天におられようがこの世界におられようが
衆生を救う働きはできますしね。

常に深い定に入られている如来よりも、菩薩は活動的。
弥勒菩薩も実はすごく活動されてるはず。

中華圏では布袋さんが弥勒菩薩の化身とされていますが。

何度かこちらの世界に現れておられるのかもしれませんね。

そういえばお地蔵さまは
お釈迦さまがいなくなって弥勒菩薩さまが成仏するまでの間
仏のいないこの世界で救済の働きをする方ですが、
お地蔵さまが横になって休んでて布袋さんがニコニコしてるってことは
もしかして…?

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