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親と暮らすな

実家に帰るのが嫌だ、やっぱり嫌なんだ。玄関を入った瞬間に、自分は子どもに戻っているから、両親の娘に戻るから嫌だ。
と、彼女は言った。

わかるよわかる。
結婚をして実家に足が遠のいたのは、気を遣って疲れるからだ。帰る時は楽しみなのに、家に戻るとぐったりして動けない、それだけ疲れが溜まっている自分に驚いて、ああ実家に帰って娘をやると疲れるんだ~、と気づいた。

育ててもらった恩もある、嫌なところがあったって心底嫌いにはなれない、年齢を重ねて顔が似てきたなと思う、どうしたって血がつながっているんだから親子は親子なのだけど、親の前では無意識に一緒に暮らしたあの頃の、子どもの自分に戻るのが嫌なのだ。

もともと親子は別人格。と、考えるイケてる両親の元で育った人は、理解しがたいかもしれない。いや、そもそもフラットな関係と程よい距離感だから、おかしな疲れ方はしないだろう。

けれど、この仕事をするようになって知ったけれど、大人になっても子供の頃の親子の関係から解放されていない人はとても多い。60になっても80代になっても自分が母親になっても、少女のころの母親の言動に傷つき心の奥底にしみついて離れない暗い影を抱えている人を何人も見てきました。

どんなに良好な親子関係だったとしても、成人になったら親元を出て暮らした方がいい。思春期とはそういう準備でもあるわけで、なかには反抗期や思春期っぽいこともない人さえいて、大人はそういう子供をおとなしくて物わかりがいいいい子、というよね。

・・・それ、間違ってるよ。

ずっと一緒にいるから距離感がわからなくなる。何歳になっても、親だから・親のいう事を聞け・親の言うことは正しい、をやんわり押し付けて、いつまでも自分の小さな子どもでいるようにコントロールさえする。
大人になっても、幼くてかわいい○○ちゃん、私がいないとダメな子にしていることも、親の要望に無意識に応えていることに、親も子も気づかない。

世の中には様々な事情があって、物理的な助けが必要な場合もある。それはそれで、ひとつ屋根の下にいても生活は別とか干渉し合わないとか、スープの冷めない距離で別居するとか、方法はある。

いちばんは意識の問題なのだけれど、依存や共依存や自律していない場合は、物理的な距離をとることで「わたし」ひとりの人に戻る時間を持つことが一番早い。そのうえで、見えない鎖を解き放つ準備をすればいい。

ずっとやりたかったこと、自分が思うもの、恋愛もお酒を飲みに行くことも、時には羽目を外してはしゃぐことも、自分に許可してあげる。自分のことは自分で決めていいし、自分で決めて思うようにすればいいの。自分の人生は自分だけのものです。

親を決めて生まれてくるといわれますが、何をするか何を学ぶかは自分で決めてこの世に降りてきています。その親のもとで、悩んだことも迷ったことも無駄ではなくて、もしかしたら自由とは何かを学んだり、自分で生きる力を試すと決めてきたのかもしれない。

少なくとも、苦しい嫌だという感情が湧いのであれば、自分はこうしたいなにかもちゃんとあるはず。自分自身の声に耳を澄ませてみるといいね。

最初は何も答えないかもだけど、それならそれで気にせずに、その日その時に自分がやりたい食べたい会いたいと思ったことを、自分に叶えてあげること。拗ねていた子どもが泣き止むまで待つの。

時間はかかるかもしれない、うまくいかないかもしれない、でも、そのままそうしているよりは、ずーっと、ましなはずじゃない?苦しかった辛かった自分に、頑張ったねよくここまで来たね、とどうぞ優しくしてあげてください、労わってあげてください。
いつしか少しずつ心がほどけてくるはずです。

それまでは、親の家になんか行かなくていいです。気持ちよく帰りたい、と思う日まで行かなくていいです。親の話なんか聞かなくていいです。元気だから安心して、と一言LINEでもすればいいです。

親もいつか年老いて誰かの助けを必要とする時は来ます。自分だってそうなんです。そのときのために、心から何かをしたくなるようにやってあげたいことをできるように、今できることをして備えつつそれぞれが自分の人生を自立と自律して生きる努力をしていきたい。

心も身体も生活もまずは自分。
自分という木が大地にしっかり根を張って幹を太くし、健やかで充実した枝葉を繁らせて、天に向かって真っすぐに伸びていること。だからこそ、暑い日には日陰をつくり風を送ることができるし、雨や雪からたすけたり、花や実をつけて喜ばせることができる。

自分の人生を自分の倖せで満たしたいなら、いまが苦しいなら、親なんかと暮らさないこと。暮らさなくていいんですよ。そのために、自立できる環境を整え気持ちを強くしましょう。その努力は必要よ。

自分と自分の生き方にには、ちゃんと責任をもつこと。
それが、ほんとうにいい男でありいい女いい大人です。
そういう人を、本当にいい人っていうもんですよ。

命輝かせていこう!

掬乃 ジュンコ


☆人生全般のお悩み相談・婚活相談をしています。

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