恐ろしくも哀しく美しい、12歳の初恋。「ぼくのエリ 200歳の少女」
Hej!
ピザが無いと生きていけないとエンピツカフェの店員さんに噂されているアンです。今日もピザ、もぐもぐとほおばってます。
お気に入りの世界の映画を紹介しますね。
1920年代からいままで、ヴァンパイアを題材にした映画は数多く制作されてきましたが、そのなかでも異彩を放つ北欧スウェーデンの作品「ぼくのエリ 200歳の少女」。
孤独な少年が初めての恋に落ちた。その相手の謎めいた少女は12歳のまま、時を越えて生き続けるヴァンパイアだったというこの物語。スウェーデンのベストセラー小説「モールス」を映画化したものなんだって。
映画のストーリーはというと、友達が欲しいと願ういじめられっ子で孤独な12歳の少年オスカーくん。同じ12歳のエリちゃんが父親とともに隣の家に引っ越してきたことで、とうとうその願いが叶えられそうだと感じていた。
しかし、血色の悪い顔をした少女エリちゃんの外出はなぜか夜だけ。お菓子も食べられない。そのころから街では不可解な失踪や殺人が次々と起こりはじめる。
オカルトが大好きで内向的なオスカーくんはエリちゃんがヴァンパイアだと気付く。
12歳の体に永遠の命を閉じ込められたまま生きるヴァンパイアのエリちゃんは、生き残るためには、常に旅をし続けなければならない。
ふたりの幼い恋が終わるかに見えたとき、オスカーくんに最大の悲劇が襲いかかる。エリちゃんは彼女が出来る唯一の方法で彼を守るため戻ってくる、という結末も気になるハラハラドキドキなホラー映画です。
小説の方では、エリちゃんは200年前に12歳で成長をカストラートされた男の子として描かれてるんだって。
カストラートとは1650年から1870年ころにかけて、ヨーロッパで教会で唄う声楽隊の男の子が変声期を迎える前に、成長ホルモンの分泌を抑制させるために施した去勢のこと。
のちに貧困層が家計の負担を軽くするために、男の子を去勢し小児性愛者に売り渡すということが行われていたらしいんだけど、エリちゃんもそのなかの一人。
それでも「生き残ること」に執着したヴァンパイアの物語「ぼくのエリ 200歳の少女」でした。