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世界の終わりまであと28日と6時間と42分12秒。「ドニー・ダーコ」

Hello!
ピザが無いと生きていけないとエンピツカフェの店員さんに噂されているアンです。今日もピザ、もぐもぐとほおばってます。
お気に入りの世界の映画を紹介しますね。

今回紹介する映画の舞台は、1988年アメリカ、マサチューセッツ州。
主人公は、軽度の精神障害を抱える高校生ドニー・ダーコくん。

ドニー・ダーコくんは、カウンセリングと投薬治療を受けながらも、浪人中ながら優秀な姉とダンスコンテストで優勝を狙う活発な妹、模範的な両親の5人で暮らしています。
ある日、ドニーくんは夢の中でフランクと名乗る銀色のウサギに導かれ「世界の終わりまであと28日と6時間と42分12秒」と告げられるのです。

翌朝、近くのゴルフ場で目を覚ましたドニーくんは、また夢遊病が発症したものと思いながらお家に帰るのですが、家の周りには警察や野次馬たちがひしめき合う状況になっていて、なんとドニーくんの部屋に「飛行機のエンジン」が墜落したという状況。
つまり、もぬけの殻であったドニーくんの部屋に「飛行機のエンジン」が落ちたのですが、たまたまゴルフ場にいたドニーくんは死を免れたというところから、この映画は始まります。

この「ドニー・ダーコ」という映画、こじらせ男子の青春映画のようですが、SFとしての色合いが強いちょっと難解な作品でもあるんです。
まずこの作品を紐解くうえで知っておかなければいけないキーワードが、「未来人」と「タイムトラベル」。
そして、劇中「死神オババ」と呼ばれる元高校教員であるロバータ・スパロウ著の「タイムトラベルの哲学」という本に記載されている、
「プライマリー・ユニバース(主宇宙)」「タンジェント・ユニバース(接宇宙)」「アーティファクト(オブジェクト)」「リビング・レシーバー(生ける受信者)」「マニピュレイテッド・デッド(操られる死者)」というキーワード。

じつはこの映画は2つの世界を行き来してストーリーが繰り広げられています。
ひとつ目が、わたしたちが生きている「プライマリー・ユニバース(主宇宙)」という世界。時間の流れは一方的で、早まったり滞ったりはしない世界。
ふたつ目が、「タンジェント・ユニバース(接宇宙)」。何かしらの「事故」が起きた時に一時的に生成される、パラレルワールドのような世界。タンジェント・ユニバースは非常に不安定な存在であり数週間で消滅してしまうのです。

「アーティファクト(オブジェクト)」が、プライマリー・ユニバースからタンジェント・ユニバースに間違って送られてしまった物質のこと。タイムトラベルの始まりとなる重要な要素で、金属製の物質にのみ該当するということで、今回の映画に登場する「飛行機のエンジン」がこれにあたります。

そして「リビング・レシーバー(生ける受信者)」が、アーティファクトをプライマリー・ユニバースに戻す役割を与えられた人物で、タンジェント・ユニバースが誕生した時に選定され、この役割を与えられた人物は夢や幻覚幻聴といった形で通常の人間にはなし得ない「力」が与えられます。これが主人公であるドニー・ダーコくんに与えられた役割。
タンジェント・ユニバースで死んでしまった人物は「マニピュレイテッド・デッド(操られる死者)」となり、リビング・レシーバーに指示を与え、アーティファクトをプライマリー・ユニバースに戻すサポートをする。

これらの設定についての説明は、劇中ではほとんど語られないし描かれていないのですが、これらのキーワードを予備知識として、改めてこの映画「ドニー・ダーコ」を見ると、ぐっと面白くなると思いますよ。
興味のある人は難解映画「ドニー・ダーコ」、一度体験してみてくださいね。

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