今日の名言は、「フィルムを使いきって。24時間後またここで落ちあおう。」
パンケーキ大好きなかおるんです。いつもエンピツカフェの決まった席で本を読んでいます。
悩みごとがあるときに、ふっと何か大切なものを気づかせてくれる先人の名言を紹介しますね。
みなさん、ブラジル映画「City of God(シティ・オブ・ゴッド)」って、覚えてますか?
スラム街で生きる若いギャングたちの抗争を描いた2002年公開のブラジル映画。事実にもとづいた物語だって聞いて、本当におどろきました。
日本の裏側の遠い国ブラジルでは、こんなにも壮絶な人生を送っている人たちがいるんだ、って。
今回紹介する名言は、写真家Julian Germain(ジュリアン・ジャーマイン)さんの、この一言。
この言葉は、ジュリアン・ジャーマインさんが、ブラジル南東部にある工業都市ベロオリゾンテの路上で暮らす10代のストリートチルドレンたちにカメラを渡すときの一言。
好きな場所で好きなものを自由に撮ってもらう「No Olho da Rua(ストリートの目)」という、1995年から2020年までの25年間続けられたこのプロジェクト。
その写真に写るのは、物乞いをしたり盗みを働いたり、麻薬を運んだり売春したり、食べるものがなければシンナーを吸って空腹を和らげたり、社会の片隅で混沌とした生活を送るストリートチルドレンたちの日常風景。
しばしば、ピントがずれたり、時には指が写り込んでいたり。
1995年、スマートフォンも無い時代だから、カメラはプラスチック製の、36枚撮り35mmフィルムカメラ。しかも連絡の手段も無いので、「24時間後に会おう」という不確かな口約束。
だから、このプロジェクトには否定的な意見が多かったんだけど、カメラを盗まれたことは一度もなかったんだって。
つまり、「カメラを売ってタバコを買う」よりも「自分が撮った写真を見たい」という好奇心がまさっていたということよね。
ストリートチルドレンたちに直接声をかけ、写真を撮りたいと答えた子どもたちは、ほとんど撮影に真剣に取りくんでいたということ。
長い間家族に会っていなかったけど、カメラをもっていることを理由に家族を撮るために実家に帰る子もいたそうよ。
「No Olho da Rua(ストリートの目)」プロジェクトで、撮影された写真は約1万5,000枚。
これらの写真はキュレートされ、18冊のジンとして一部販売もされているんです。
社会から疎外されたストリートチルドレンたちが写した、刹那的な瞬間から、彼ら自身の人生の記録を知ることができる。
写真で思い出される記憶って、動画と違って、鮮明ではなく美しくも切ないよね。
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