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一人ひとりに寄り添った提案を!信頼されるソムリエを目指して

ワインのプロたちは、どんな想いでワインと向き合ってお客様と接しているのか?スタッフの想いやこだわりを伝える「わたしとワイン」

エスプリ・ド・タイユヴァン:保坂 涼太

昔から料理に興味があったという保坂。幼いころから、父親の仕事の関係で周りに料理人も多く、ワインというお酒にもなじみがあったのだとか。そんな保坂が、ワイン業界に興味を持ったのは、あるドラマがきっかけでした。

さらにフランス留学中にワインの奥深さを知り、その思いを胸に、ワイン業界へ歩むことを決意。常にお客様のことを第一に考え、柔軟にお客様の考え方や価値観を受け入れることで、“お客様の思いに寄り添うこと”を信条としています。

今回、そんな彼の仕事に対する思いや大事にしていることを尋ねました。

ワインが好きになったきっかけは「神の雫」

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中学生の頃、「神の雫」というドラマがきっかけでワインを知りました。もちろん、当時は未成年なので飲めませんが、大人が楽しんでいるお酒の表現方法が「果実の香り」や「花の香り」だったので、子供ながらにインパクトが強かったんです。

その頃からフランスにも興味を持って、大学時代はフランス語を学ぶためボルドーへ留学しました。ボルドーでは現地にいる日本人ソムリエの方と仲良くさせていただき、ワインの美味しさと奥深さに感動し、心を奪われてしまいました。

インパクトがあったというか、自分の中でとても大きな経験でしたね。

その後、地元(大阪)に帰った時にエノテカのグランフロント大阪店へ行き、ワインを購入したんですが、とても楽しい接客をしていただき、その時の体験からワインを売るという仕事に魅了されました。

自分がフランスで体験したことも含めて、ワインによる感動体験を伝えて、同じ体験を色んな人にしてほしいと思い、ワイン業界へ進むことを決めました。

感動体験を一緒に過ごす喜び

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僕は入社してから4年で4店舗も経験させていただきました。特にあざみ野店、エスプリ・ド・タイユヴァンでは立ち上げも経験させていただきましたが、全ての店舗で雰囲気が異なるんです。

既に閉店してしまいましたが、あざみ野店は地域密着型の店舗だったので、リラックスできる雰囲気とアットホームな接客を心掛けていました。逆にエスプリ・ド・タイユヴァンは、高級感ある演出や大人な雰囲気なので、ひとつひとつ言葉の使い方はもちろんですが、お客様との距離感や空気作りをとても大事にしています。

色んなお客様がいらっしゃる中で、自分の経験を話していくとお客様も心を開いてくれますし、ワインという共通のキーワードを元にお客様と信頼関係を築くことに楽しさを感じます。

エスプリ・ド・タイユヴァンはレストランが併設されているので、自分が美味しいと感じたペアリングを提案していますが、その場ですぐにフィードバックをいただき、お客様の感動体験を一緒に過ごせるということが本当に嬉しいですね。

お客様からいただいた大事な言葉

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ソムリエとして心がけているのは、お客様に最も信頼してもらえるソムリエになれるように、徹底的にお客様の気持ちに寄り添うことです。

今の時代、ロボットやAIなど、製造だけでなく接客など人とのコミュニケーションに関わる部分でも導入されていますが、実店舗における「接客」には「人」にしか生み出せない大きな価値があると思っています。

お客様の要望に応えるだけではなく、お客様の気持ちを理解し、お客様の想いに合わせて、空気感を作って言葉を選んでいく......やっぱりお客様の気持ちに寄り添った接客というのが、僕にとってはとても大事ですね。

以前、お客様に「保坂さんに出会って人生が豊かになりました」と言っていただいたことがあって、泣きそうになりました。その言葉をいただいた時、自分の中で軸として持っている“お客様に寄り添った接客”ができたのかなと思いました。

誰かの人生に大きな影響を与えられる仕事って多くはないですし、その言葉をいただいてからは、お客様にとって最も信頼できるソムリエを常に目標に置いています。

五感を響かせ、心を豊かに満たす

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僕にとってのワインは、仕事でもあり、趣味でもあり、人生にとって欠かせない存在ですね。

ワインと出会っていなければ、数々の驚きと感動を味わうことはなかったですし、出会えなかった人もたくさんいます。

あと、僕にとって「食事」には絶対に欠かせません。

家で料理をすることが多くて、最近は魚を市場から仕入れて、それを自分で捌いてお刺身なども作っています。お店でシェフが実際に作るところを見るようになってからは、パテ・ド・カンパーニュとか、更に一歩踏み込んだところにも挑戦して、色々とペアリングを試しているんです。

自分で味付けまでするので、よりペアリングを探求できますし、五感すべてを使って味わう料理にこだわっています。また、食事の時間に手間と時間をかけるようになってから、日常生活にも今まで以上に向き合えるようになりました。

食事に重点を置いて、その一日の楽しさを見出す時間を作ってくれるのもワインですし、毎日の生活の中で色んなことを与えてくれて、色んな経験をさせてくれますし、僕の心を豊かに満たしてくれるそのものですね。

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最後に思い出の1本を伺いました。

思い出のワイン

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POUILLY SUR LOIRE GUSTAVE DAUDIN/DOMAINE MICHEL REDDE
プイィ・シュル・ロワール・グスターヴ・ドーダン/ドメーヌ・ミシェル・レド

ソムリエの資格を獲った時にお祝いとしていただいた、フランス産のシャスラ(ブドウ品種)が使用されている白ワイン。タイユヴァンのワインは、今まで飲んだことのない品種や地域との出会いが多いとのことで、その中でも特別に思い入れのある一本だそうです。