【スタッフ愛飲】人生を変えた1本!ワインの世界に導かれたロワールの白ワイン
エノテカスタッフに、愛飲するワインとの出会いや思いを語ってもらう「スタッフ愛飲」。
今回は六本木ヒルズ店で店長を務める濱口さんに「サンセール / パスカル・ジョリヴェ」について語ってもらいました。
「実は、ワインが好きではなかったんです…」という衝撃の事実から始まったインタビュー。ワインに限らずアルコール全般が苦手だったという濱口さんを、たった1本のワインがこの世界に導いてくれたそうです。
なくてもよかったものが“なくてはならない”存在に
-今回紹介いただくワインとの出会いを教えてください。
実は私、もともとワインを好んで飲んでいたわけではなかったんです。それがこのワインをきっかけにワインが大好きになって、こうして仕事をしているくらいです。
-え!ワインがお好きではなかったんですか!
好きじゃなかったというよりも、アルコールに弱くて…。それは今でも変わっていないんですが、お酒を飲むとすぐに酔っぱらってしまうので、以前は甘いカクテルを飲むのがギリギリだったんですよ。
なので、ビールやワインを飲むとしても職場の人や友人との飲み会で1、2杯程度でした。自分でワインを選んで飲むという習慣が全くなかったです。
-そうだったんですね。そんな中、このワインとどのようにして出会ったんですか?
この仕事に就く前は、ホテル館内にあるレストランでサーブのお仕事をしていました。そのレストランで、今回ご紹介するワインを取り扱っていたのがきっかけです。
当時、お客様に聞かれて困らない程度のワインの知識はありましたが「ソーヴィニヨン・ブラン=草っぽい」というネガティブなイメージがあり、実際に飲んだこともありましたが、どちらかと言うと苦手意識があったんです。
それがこのサンセールを飲んで、その印象と全く違うことに驚きました。
香りも爽やかですし、味わいもレモンやライムの柑橘系のやさしい印象。当時はうまく表現できなかったですが、体の中をスーッと通っていくような感覚が残って「なにこのワイン、美味しい!」って一瞬で虜になってしまいました。
それまでは自宅でお酒を飲むことはほとんどなかったのですが、それ以来、自分でワインを買って飲むようになりました。
なくても困らないものだったのが今やなくてはならない、癒しの存在になったんです。
人生の転機
-それからエノテカに転職したということですか?
そうです。初めてサンセールを飲んでから少し経った頃に、当時勤務していたホテルの重役と取引先との重要な会食があり、私がメインでサーブを担当する事になりました。その際ワインをペアリングで出したのですが、前菜のカルパッチョとともに、このサンセールを提供したんです。
緊張感漂う中で会食がスタートし、緊張からかあまり会話を楽しまれている様子はなかったのですが、前菜とペアリングで提供したサンセールを飲まれた瞬間に「このワイン美味しいね!」と皆さんおっしゃって、場の雰囲気が一気に和みました。
そこからお客様との間で話が弾むようになり、とても良い雰囲気で会食が進んでいきました。お帰りになる際にも「あの白ワインが一番美味しかったよ!」とわざわざ声をかけてくださる方もいらっしゃったんです。
お客様がワイン1本でこんなに楽しく、うれしく思ってもらえる場を与えられたことがうれしくて…そこから本格的にワインに興味を持ちました。
もともとお客様に喜んでもらえる仕事がしたくてホテルの仕事を7年半ほど続けていましたが、ちょうど別のこともやってみたいなと考えている時でもありました。そのタイミングでこの出来事があったことで、ワインに携わる仕事を通して、お客様に喜んでもらいたいと思い転職を決意しましたね。
-1本のワインが人生を変えたんですね!
かっこよく言えばそうですね(笑)当時は何かきっかけがあれば新しいことをやってみようかなと思っていたくらいで、転職活動をしていたわけではありませんでした。
そんな気持ちの時にこの出来事があって、もっとワインを極めてみたい!と思いましたね。タイミングも良く、転職活動を始めて半年も経たずにエノテカで働き始めました。
飲まないなんてもったいない!
-改めてこのワインの好きなところを教えてください。
誰もが「飲みやすい」と感じる味わいですね。
パスカル・ジョリヴェのワインの魅力は、ピュアさ、エレガントさ、強すぎないアロマだと思うんですが、私が好きなのもそんなやさしい味わいです。
レモンやライムのような柑橘系のフレッシュな香りや、癒し効果のあるような、寄り添ってくれるような繊細で上品な味わいが好きです。
お客様の中にもソーヴィニヨン・ブランに対し苦手意識を持たれている方は多いのですが、そんな方にも「騙されたと思って一度このサンセールを飲んでみてください。絶対にソーヴィニヨン・ブランが好きになりますよ。このワインを飲まないなんて、本当にもったいないです」とおすすめしています。
実際に「ソーヴィニヨン・ブランが大好きになりました!」とリピートしてくださるお客様もいらっしゃいますし、「本当に美味しかったです!」というご感想を多く頂戴しますので、どなたでも飲みやすく、親しみやすいワインなんだと改めて感じます。
-料理と合わせるなら何がおすすめですか?
それは断然、お寿司です。お寿司を食べるときにはぜひ合わせていただきたいです。
独特の酸味とピュアな果実の甘みが酢飯とすごく相性が良いんですよ。ネタはタイやホタテ、エビなどがおすすめ。お醤油をつけてというよりはお塩をつけて食べるのが私は好きです。
お寿司に限らず和食との相性が良いですよね。和食のやさしいお出汁の甘みとサンセールの相性が素晴らしいです。
こうやって料理のペアリングを考えるときは温度も気を付けていただきたいです。
まず1杯目はとにかくひんやり冷えたものを。そのあとお食事と楽しむときは温度を少し上げると、果実味の旨味や甘みがより出てきます。
-濱口さんにとってどんな時に飲みたくなるワインですか?
サンセールと言ったら「夏」で、今の時期にピッタリですが、私は季節問わずいつでも飲みます。
自宅で和食を作ると、大体このサンセールを飲んでいる気がします。
この1本を通じてワインの素晴らしさに出会えたので、ちょっと恥ずかしいですが、自分にとっては「原点」とも言えるワインなんです。なので、ついつい飲みたくなってしまうんですよね。
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「このワインに出会っていなかったら今もまだホテルの仕事を続けていたと思います。」と語った濱口さん。
1本のワインで人生が変わる、それほどワインの魅力は底知れないのだと実感したインタビューでした。