見出し画像

STAP細胞事件10年〜我々は何を学んだのか

 1月29日。今日はあれから10年の日だ。

 上記の記事は、2014年1月29日21時に公開された。

 他のメディアでも同じ頃、いわゆる「エンバーゴ」が解け、公開が始まった。STAP細胞事件の始まりだ。

 その後の展開については、当時毎日新聞にいた須田桃子記者の著書などが参考になるだろう。私たちも2019年に、STAP細胞事件をまとめた本のなかで、粥川準二さんに書いていただいている。

 10年も経つと、今の学生などは小学生や中学生だったので、なんとなく知っている程度になっている。だから、研究公正の講演をするときに、もうSTAP細胞事件の話はしない。

 もう一つ、話をしなくなった理由がある。

 その後発生したり発覚したりした研究不正事例に比較して、STAP細胞事件が特異な事例ではないからだ。

 STAP細胞事件以上の研究不正の事例はいくらでもある。悪質なのもある。しかし、あれほどメディアに取り上げられたことはない。

 あの事件は、メディアに以上なまで取り上げられただけで、それを除けば、数ある研究不正事例の一つにすぎないのだ。

ここから先は

1,581字

¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?