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報告 心の休憩所

近い範囲にあった3つのライブがたちどころに通り過ぎていってしまいました。今はちょっと夢の跡といった気の抜けた状況ですが、動作がおかしくなったパソコンを買い替えたりしたため、そちらを使える状況にするために奮闘中です。
というわけで、先日の即興が中心のライブ「心の休憩所」の報告をいたします。


煮詰めた時間割

前回は「心の保健室」というタイトルで行った同内容のライブ。ちょっと保健室は言い過ぎだったかなと感じたので、休憩所に直しました。
前回の経験からだいぶ準備にかかる時間なども想像がつくようになったので、今回は前より1時間短く借りることにしました。雨が降っていたため、荷物の搬入には少々苦労しました。結果的には使用量も圧縮できたし、時間も無駄に長くなくよいに詰め方ができたなあと感じています。

お天気と照明

写真 廊下と部屋

雨が降っていると、天然の光はだいぶ弱くなります。前回のようにすべてのカーテンを締め切って、天窓からの明かりだけで行うには少々足りないかなと心配になりました。

そこで今回は、横の窓のカーテンだけ一部開けておき照明的にステージに当たるような造りにしてみました。
実際のところは途中から晴れ間が出てきたりしたので、差し込む光が強烈になったり、弱くなったりを繰り返して、それが自然のゆらぎになって、また良いのではないかなと言う感想です。

いずれにしても、部屋の照明はやっぱり付けない方が良い。つけてみたら特別感が激減するのを感じました。

音響空間作り

写真 カーテンと舞台

前回の反省を踏まえて、今回は音作りにも励みました。とは言ってもマイクを使わないライブですので、工夫したのは演奏場所です。この部屋は左側だけそこそこ低い位置まで伸びているカーテンがあります。このカーテンを閉めた状態で、その近くで演奏すると、直接の響きを多少抑えることができます。響を抑えるというよりは、ぐるぐると無限ループするのを抑制できるという感じだと思います。
ちょっと悲しいこと言ってるなと思いますが、これならお客様が少なかったとしてもガラガラの空間という響きではなくなります。

今考えてもこの試みはかなり成功しているなと感じます。実は今回、かなり後ろの方で撮ったビデオの音源しか記録を残せなかったのですが、それを確認してみたところ、前にやった時よりも理想的な響きになっていました。
やっぱりこういうのは経験と学習ですね。要はやってみなきゃわからんということですね(笑)でもゃって分かるのだから、十分に幸せな話だと思います。

おもてなしの工夫

来てくださったお客様に心に残る音を残すというのは当たり前の話ですが、それ以外にも何か手に残るものがあるといいなという思いが発生しました。というわけで、前日に挨拶文を考えて、それを印刷した紙を用意することにしました。
このあいだこんなのに行ってきたんだよとほかの人にも話してもらえたら嬉しいな、などと思ってます。

8月のコオロギ

写真 楽器テーブル

ライブが始まる前、もう会場にいらしてくださるお客様にとって、無音の中で黙って待っているのは、けっこう精神的に辛いものがあると僕は思ってしまいます。始まる前にもBGMが流れているということはよくありますが、そういったことへの配慮なのではないかと考えています。
ただ生の音楽の前に音楽が流れているというのは、少々違和感を感じます。特別感を減らしてしまうと僕は感じるんです。なので、自然の音を採取した風景音を利用するようにしています。

今回は数年前の8月のコオロギの独唱を録音したものを使いました。まあよく聞くと、ほかの虫の声も小さく入ってはいるのですが、力強く、たくましさを感じるコウロギが誇らしげに歌い続けています。それが会場の生の響きに乗せてとても自然な聞こえ方になります。
お越しくださったお客様から、中で本物がいるのかなと質問されるくらいリアルでした。生録をしておいてよかったなと感じます。

それにしても、8月のコウロギは本当に元気です。これが9月後半から10月になると、非常にのんびりとしたなきパターンに変わります。全てのテンポが下がり、声のトーンも少々低めになってしまいます。
でもしまいます何て書いてはマイナスのイメージになりますが、この落ち着きある鳴き方が非常に情緒的で素晴らしいと感じます。今回再生した8月のコウロギは、元気と若さの象徴。10月付近のコウロギは情緒と気品、更には貫禄さえ兼ね備えたベテランの音色です。
というか、自分のライブの報告でどうしてここまでコウロギを語っているんだ?

演奏の様子

写真 会場案内

今回もあまり喋らずに進めていこうと思って始まったライブなのですが、結局前回よりもしゃべったような気がしています。せめて即興ではないオリジナル曲のタイトルぐらいは伝えたほうがいいかなと思い始め、そしたらわりと普通にしゃべってしまいました。
とは言っても喋った量としてはいつものライブの3分の1ぐらいだとは思います。やっぱり届けたいのは、この素晴らしい空間に響くオカリナの音色ですから。

予約のありがたみ

写真 演奏中

今回は事前に「行くよ」と言ってくださったお客様もおられたので、1回は演奏が実現することは確実でした。お客様が一人も来ない場合、お茶ひきと言ったりしますが、それだと準備していたものがすべて無駄になってしまうので、結構ダメージが大きいと思うんです。こういった予約制でないライブの場合、その精神的な心配が常につきまといます。同時に事前予約があるということだけで、どれだけ心が救われるかということも痛感します。

そんな心がゆれ、動きやすいやつが行う心の休憩所。大丈夫かと思いながらの演奏はとても安定した内容となりました。
実は前回は演奏中に自分がどの視点に立っているのかがちょっとわからなくなりかけて、表現が迷うというシーンがあったんです。今回はそういった瞬間がほとんど無い状態で演奏することができました。ただ笑っちゃうことに「タタンタンのタン」という即興でもないオリジナル曲の出だしでフライングしてしまうという事件は発生しました。CDを聞いている方からしたら、何が起こったと感じたかもしれませんね。

余韻

写真 演奏写真

すべての余韻がとても心地よい空間。そこで演奏していると、自分の演奏もだんだんとゆったりしたものになっていきます。空間に引っ張られるという感じでしょうか?それは特に逆らうべき事ではないと感じますので、その空間の波長に合うようにゆったりした演奏になってゆくわけです。
余韻が長ければ長いほど、演奏のテンポもゆったりになってゆく。それどころか、あえて隙間を多くとって、余韻が大人しくなるのを待ってから次を吹くなんてこともよくあります。不思議なことに、そうしたくなるんですよね。

これはまさに生演奏ならではの感覚だなと思います。同時に聞いている皆さんにとっても同じ感覚が得られていると感じます。ところが録音でこれを聞くとあまりそれほど感じないと思うんです。

実際、部屋の中を音が駆け回る様子というのは、たった2つしかない耳でもしっかり空間を感じられるものなのです。前から横へ、そして後ろへ、更に横に戻ってきたり。そんな自由に駆け巡る音に集中したくなるから、間が増えるのでしょうね。
響を聞いているはずだった自分が、気がつくと、その響きの上に乗っかって部屋の中を駆け巡っているような感覚にさえなれるんですよね。
白状すると、今回そこまでの感覚にはなりませんでしたが、いずれなったとしたらもっと音と音の間が増えてしまうかもしれません。そんな様子を見て取れた時には、あっこいつこないだ行った状態になってるなと思って頂けたら嬉しいです。

写真 演奏テーブルの様子

ループ演奏

今回は久しぶりにカリンバを使ったループ演奏も行いました。カリンバ自体は売れ残ってしまいましたが、今回もこの演奏のために改めて組み立て調律を行ないました。今回は面白いぐらい組み立ても調律もスムーズに運び、音のバランスも全体としてかなり良かったです。次をやるとしたら、その時もまた使おうと思っています。

休憩所

日々の家事や育児や介護の疲れをちょっと軽い気持ちで、癒しにこれるようなコンサート。心の休憩所の目的はそう言ったものです。

今回途中で眠っちゃったなんてご感想もいただき、それもまたとても嬉しい感想だなと感じました。
実のところ、ためし吹きをした時分の音を聞いても眠ってしまうことがあります。以前、ホールのステージだけを借り切って、そこでひたすら1人で服というものを録音したことがあります。今回と同じくほぼ1時間以上即興演奏をひたすら続けた録音なのですが、それを聞き終わるまで起きてられたことはありません。
さすがにこれと同じことをやると、お客様は飽きてしまうんじゃないかなという不安があるため、これまでやったことは1度もないのですが、一度やってみるのもいいかもしれませんね。本当に眠りに来るためのライブとして・・・。

オカリナの音色と共にもっと深く深くを追求して行きたい。記事を作りながら、そんな思いがふつふつと湧き上がってくるのを感じます。
うん、やっぱり次やります。次の企画もぜひお楽しみに。

ただいまの楽器たち

写真 活躍の楽器たち

実は今回連れていった楽器の数に比べて演奏に使った楽器の数が少なかったです。1度もでることなく、箱の中にいた楽器に気がついたのは写真撮影の時。
そのオカリナは大変不機嫌で、僕も身がすくむような思いになりました。あんな素敵な響きの場所で歌うことができなかったのです。手が届かない所に美味しそうな食事があり、そのまま持っていかれてしまったような心境ですよね。

時計で言う3時の位置にある黒いオカリナ。それが歌うことができなかった子です。

片付けと感謝

この企画を非常に低価格で続けている理由は、これが形のくっきり整ったコンサートという感じではなく、えんじろうの半分趣味を兼ねた実験室のような内容の企画だからです。これからも柔軟に新たな試みを考えついては試してみようかなと思っています。乗ってあげてもいいよと思ってくださる方は是非遊びに来てくださいね。

前回来てくださった方が今回お友達を連れて来てくださるというケースもありました。本当にありがたいなと思います。少しずつ定着し、人数も増えていったら嬉しいなあと思っています。



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