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Stable Diffusion 3 Medium を導入してみたものの...。(続)

この続きになります。
LUMA AI の Dream Machine 評価が急遽割り込んだので、公開待機待ち
のCivitAI 画像公開状況⑧ の3 記事同様、この記事も公開が1日ずれました。

UI の外観の大幅変更で使い勝手の印象が悪くなった(生成画像が画面下に
溜め込まれるが、逐次ダウンロードと消去作業が必要、とか Text to Image
と Image to Image をブレンドすることが出来なくなった、など)印象
だけでなく、生成される画像の印象も、それほど多く試した訳ではない
ものの、「何か違う」感が否めません。

たとえば先の記事で、ADetailer での顔補正がCheckPoint ファイルの
個性を殺す、という話をしました。

(以下、若い女性の表情ばかりが記事を埋め尽くしますが、どうぞ顰蹙は
ご容赦ください。描画傾向の違和感を最も認め易い題材なのでした。
建築画や宇宙画ではきっとこの微妙かつ決定的な差異は発見出来ない
でしょう。)

その時に使ったプロンプト、ネガティブ・プロンプト、CheckPoint
を使って、以下、描画結果を見て行きますと….。

まずは Stable Diffusion Web UI Forgeに meichidarkMix_meichidarkV45.safetensors を CheckPoint を選び、

プロンプト:

1 girl in flowers

ネガティブ・プロンプト:

easynegative,ng_deepnegative_v1_75t,(worst quality:2),(low quality:2),(normal quality:2),lowres,bad anatomy,bad hands,normal quality,((monochrome)),((grayscale)),((watermark)),(badhandv4), (bad fingers), (bad arms), (bad hands), (thin), sagging breast, huge breast, bad legs, ((deformed hand)), ((abnormal hand)), (long face:1), (less than five fingers:1), (more than five fingers:1, many fingers, six figners, seven fingers), (high forehead:1), ((slanted eyes)), sagging breast, badhandv4, Bad-Hands-5, fat, sagging breast, badhandv4, bad-hand-v5, big hand, three arms, ((long fingers)), tall body, long body, long legs, fat, thin, bad-hands-5, negative_hand-neg, six fingers, thress arms, three hands, fat legs, fat ass, thin body,(hand deformity, hand disability), (((small eyes, small squinting))), (((nsfw:1.5))), (((black line:1.5))), real face, small legs, thin body, ((HDA_BadHands_neg-neg))

で描画させました。(以下の全画は同じ設定です。)

このノーブルな感じが気に入っているのでした。meichidarkMix_meichidarkV45.safetensors の本領発揮だと感じます。

ここに他条件は全く同じで、ADetailer での顔補正(face_yolov8n.pt)
を加えますと…。

目鼻は確かにより均整がとれ、美しい表情になったようにも見えますが、
ネット上の詐欺広告などでも良く見られるようになったAI 美人画の
典型にも見えて、元の meichidarkMix_meichidarkV45.safetensors の
味わいが薄まってしまっています。

例えば他の CheckPoint ファイル、xxmix9realistic_v40.safetensors では、
ADetailer での顔補正が無ければ、やや冷たい表情の仕上がりになります。

その差があるからこそ、画の目的に沿って CheckPoint ファイルを
吟味選択する意義があるのでもありました。

しかしそこにADetailer での顔補正(face_yolov8n.pt)を追加しましたら…。

 meichidarkMix_meichidarkV45.safetensors に ADetailer での顔補正
(face_yolov8n.pt)をかけた表情と大差が無くなってしまっています。

なので、普段、よほど遠景に小さく人物の全身を置くような、ドット数
を多く割り当てられない構図から顔の描写が歪んでしまう場合を
除いて、私は ADetailer での顔補正は使わないようにしています。

これがまず本題の前提となります。

次に Stable Diffusion 3 で同じプロンプト、ネガティブ・プロンプトで、
CheckPointに meichidarkMix_meichidarkV45.safetensors を使って描画
をさせましたら…。(Sampling steps 数 =30、CFG Scale 値 = 7 なども
全て同じに設定してあります。)

もう既に ADetailer での顔補正(face_yolov8n.pt)をかけた表情であるか
のような描写が出て来ます。

最初に提示した meichidarkMix_meichidarkV45.safetensors の淡い
ノーブルな感じが微塵もありません。
勿論、こちらをよりお気に入りに感じる方々も居られるでしょうが、
私は全く馴染みません。

note 記事をお書きになっている中で「Stable Diffusion でリアルな
人物画を追求」の趣旨の記事を拝見した時に、こんな印象の
「リアル」を拝見して「随分、当方とは感覚が違うものだな」と
感じた時の画の印象です。

しかしその印象の画に近づくということは、つまるところ
「誰でもが同じ描画結果に至る」…それは手間暇かけて自身が
没頭する創作作業にはなり得ないのでした。

別の先人様が「AI 美人画はもう見飽きた。これからは普通の顔で
行こう。」との記事を書かれていました。私の想いもそれに近い
ものがあるのでしょう。全くの素人が一瞥で「これAI でしょ?」
と識別してしまう出来を、理想と位置づけ続けては「所詮は
右倣え右」「これと同じものを描きたい」に過ぎず、創作とは
言えないのでした。そこからは離れるべきなのですが、
Stable Diffusion 3 での描画質感の変更はそれに逆行しています。

そして花びらの肉厚と質感の異常ぶりったら….。

このあたり、今後、リビジョンアップとともに、描写がどう変遷
して行くか、注視したいと考えます。
少なくとも現時点で Stable Diffusion 3 へ環境の完全移行は考え
ません。

その一方、画の中に文字化けしないしっかりとした文字を
含めることが出来る、との触れ込みに期待して、多くの
CheckPoint ファイルでテストをしていますが、今のところ
うまく行きません。

神戸の埠頭に「BE KOBE」(意味わからんですが実在します^^)の
モニュメントが見える夕景を描こうとしてプロンプトに、

Kobe's wharf, (((a white concrete monument with the words "BE KOBE")))+++, the setting sun

ネガティブ・プロンプトは上掲と同じで描画させてみましたが…。

一番、近かった(文字が読み取れなくもない)のがこれでして….。

他は以前の Forge や AUTOMATIC 1111 版と変わらない奇妙な文字
しか得られません。

試したのは、meichidarkMix_meichidarkV45.safetensors、
モアイ像や鋼鉄都市の落日風景で使い、彫像や構築物描画に向いた、juggernautXL_v8Rundiffusion.safetensors、
宇宙画で私が良く用いる majicmixRealistic_v7.safetensors など
でしたが、結果は変わらずでした。

このメモリ最適化が超ハイエンド GPU で無くても適用可能に
チューニングされた Stable Diffusion 3 Medium では文字の描画は
対応していないのでしょうか。それとも何か特別な CheckPoint
ファイルが必要とかあるのでしょうか。
他の方々のご報告を待ちたいと考えます。

少なくとも現時点がこれでは、Stable Diffusion 3 をメイン環境
として完全移行する動機は何も無くなった、とも言えます。

使い慣れた Stable Diffusion Web UI Forge で今のところ必要充分です。


【2024/06/22 追記】

この記事にはさらに続編となる記事があります。
内容訂正・追加の情報もありますので、併せてご覧頂ければ幸甚です。


ご覧いただきありがとうございます。




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