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次なる試みは緻密な空想画の質感に他の題材画の質感を近づけること...しかし意外な難攻不落にあえなく撤退。

この続きです。
ようやく描きたい画と、相応しい描画力の一致をみた一方で…。

同じ CheckPoint F1 ファイル、flux1-dev-bnb-nf4-v2.safetensors による
描画でも LoRA F1 ファイルの修飾が違うだけで、もはや同じ未来世界を
描いているようには見えません。

SD 1.5 時代にはネガティブ・プロンプトで背景には生命感が無い
ように、

trees, plants, woods, grass, moss,

などと禁止内容を記述したものでしたが、FLUX.1 では現状、
それが出来ません。プロンプトで「no plants ,」などの否定形記述は
あまり解釈されません。
「on a planet without vegetation」とか文章で与えればよいものか…。

そもそも AI 画家(LoRA F1ファイルによる修飾)が違うのだから
画風は違って当たり前ではあるのでしたが、物語の環境を描く
シーンと人物登場のシーンの画質や雰囲気があまりに乖離があると
連続した物語が進む感じがしないでしょう。
コマごとに画風が違う劇画、は違和感しかないのでした。

そこで先日やったイマイチ感のあった空想画のプロンプトに
例の 2 つの LoRA F1 ファイルを追加して「倍返し」の大激変が
起こったように、ここでも同様の大激変が起こらないかなあと
安易に試してみました。

上掲の人物画のプロンプト、

outdoor, medium shot,wearing gray and black nano-suits, smiles, (very short bob cut hair), wide hip, large breasts, perfect slender young girl body, perfectly glossy skin ,25 yo mature girl,picture of a vivid, masterpiece,perfect lighting, asian beauty, Machine background ,spaceship outdoors background, Mecha Transport parts, dark and foggy environment, heavy fog environment, battlefield behind, <lora:AsirAsianPhotographyflux:1.4>,

それに、

<lora:Sci-fi_env_flux:1>, <lora:FluxMythP0rtr4itStyle:0.75>

を追加しました。

わわわ….。大激変ではありますが、これは望んでない….。
建物になってしまいました(^^;)。

慌てて、追加した後ろ 2 つの LoRA F1 ファイル修飾の効きを下げました。

<lora:AsirAsianPhotographyflux:1.4>, <lora:Sci-fi_env_flux:0.3>, <lora:FluxMythP0rtr4itStyle:0.3>

これでは元の木阿弥です。とても魅力的ではありますが。

恐る恐る後ろ 2 つの LoRA F1 ファイルの効きを上げて行きました。
<lora:AsirAsianPhotographyflux:1.4>, <lora:Sci-fi_env_flux:0.5> <lora:FluxMythP0rtr4itStyle:0.6>

本来、FluxMythP0rtr4itStyle.safetensors は人物描画用のものなので、
その影響で表情に変化が出てしまいました。

なので、FluxMythP0rtr4itStyle.safetensors の効きは下げたまま、
Sci-fi_env_flux.safetensors の効きを上げて行きました。

<lora:AsirAsianPhotographyflux:1.4>, <lora:Sci-fi_env_flux:0.8>, <lora:FluxMythP0rtr4itStyle:0.4>

FluxMythP0rtr4itStyle.safetensors の効きを下げたことで、顔の血色は
やや悪そうですが、背景と人物像のバランスは整って来ましたか…。

Sci-fi_env_flux.safetensors の効きをさらに上げて、
FluxMythP0rtr4itStyle.safetensors の効きは下げて行きました。

<lora:AsirAsianPhotographyflux:1.4>, <lora:Sci-fi_env_flux:0.9>, <lora:FluxMythP0rtr4itStyle:0.3>

え?何故….?

<lora:AsirAsianPhotographyflux:1.5>, <lora:Sci-fi_env_flux:1>, <lora:FluxMythP0rtr4itStyle:0.4>

AsirAsianPhotographyflux.safetensors の効きも少し上げたものの、
Sci-fi_env_flux.safetensors の効きが1.0 になると、もう機械か建物
になってしまうんですね….。

<lora:AsirAsianPhotographyflux:1.5>,<lora:Sci-fi_env_flux:0.95>, <lora:FluxMythP0rtr4itStyle:0.4>

効きが 0.95 でもダメみたいです。

<lora:AsirAsianPhotographyflux:1.5>, <lora:Sci-fi_env_flux:0.92>, <lora:FluxMythP0rtr4itStyle:0.4>

0.92 でもダメでした。

<lora:AsirAsianPhotographyflux:1.5>, <lora:Sci-fi_env_flux:0.9>, <lora:FluxMythP0rtr4itStyle:0.4>

上掲同様、効きを 0.9 まで戻したらようやく人間に戻りました。
なんだ男やん…まあ良いのですけど。(いやプロンプトには従ってません)

<lora:AsirAsianPhotographyflux:1.4>, <lora:Sci-fi_env_flux:0.85> <lora:FluxMythP0rtr4itStyle:0.4>

0.85 まで下げると今度は FluxMythP0rtr4itStyle.safetensors の効きによる
表情の変化が気になって来ました。

<lora:AsirAsianPhotographyflux:1.5>, <lora:Sci-fi_env_flux:0.87>, <lora:FluxMythP0rtr4itStyle:0.3>

後ろ 2 つの効きを順次調整するものの、表情変化の影響が残ります。
1960-70 年代、女優を称える表現として「白痴美人」というものが
社会に違和感なく通ずる時期がありました。肯定的な評価でした。
某大俳優がインタビュー記事の中で「女ってぇのはチョイとオツムが
足らなくて愛嬌があるのが一番可愛いもんだ」と語り、それに異論が
出なかった世の中でもありました。
今ではあまりに理解が難しいものの、そのことを思い出しました。

<lora:AsirAsianPhotographyflux:1.5>, <lora:Sci-fi_env_flux:0.9>, <lora:FluxMythP0rtr4itStyle:0.2>

まだどうも馴染みません…。

<lora:AsirAsianPhotographyflux:1.5>, <lora:Sci-fi_env_flux:0.9>, <lora:FluxMythP0rtr4itStyle:0.1>

FluxMythP0rtr4itStyle.safetensors の効きを最小にする一方で、
表情への影響が完全に消えないのは、もしかしたら
Sci-fi_env_flux.safetensors の効きも表情に影響を与えているのかも
しれません。

<lora:AsirAsianPhotographyflux:1.4>, <lora:Sci-fi_env_flux:0.8>, <lora:FluxMythP0rtr4itStyle:0.1>

Sci-fi_env_flux.safetensors の効きを再び 0.8 に落としました。
このあたりが最も狙いに近いでしょうか。

<lora:AsirAsianPhotographyflux:1.4>, <lora:Sci-fi_env_flux:0.8>

FluxMythP0rtr4itStyle.safetensors を外して量産してみた中から選抜
しました。

メカニカルな背景と人物像のブレンドぶりは随分良くなって来ているの
でしたが、このようなロボトミー(脳頭葉切除 : brainsalad surgery)手術
を受けて半機械化した作業員のような、虚ろな表情は目指すところでは
ありません。

これは唯一悪くないですが、他の画同様に nano-suits が薄物過ぎます。
オフタイムのシーン設定でも良いかもしれませんが…。

再びロボトミー隊員です。

FluxMythP0rtr4itStyle.safetensors を再び戻して、上掲で一度試した
ブレンドで量産して選抜しました。

<lora:AsirAsianPhotographyflux:1.4>, <lora:Sci-fi_env_flux:0.8> , <lora:FluxMythP0rtr4itStyle:0.4>

え?何故….(2回目)。

これもアンダーウエアの範疇でしょう。何故なのか。

まれに表情がヒットしても、全体の雰囲気は元の木阿弥状態(牧歌的に
平和な開拓駐屯地での肖像)です。

やはり表情が狙いに沿って魅力的になると、全体の雰囲気は元の木阿弥
状態(牧歌的に平和な開拓駐屯地での肖像)となってしまいます。

<lora:AsirAsianPhotographyflux:1.4>, <lora:Sci-fi_env_flux:0.4>, <lora:FluxMythP0rtr4itStyle:0.1>

背景には花まで咲いていそうです(放置されたゴミには見えません…呆)。

空想画(天体画、メカ画)で、あまりに切れ味鋭い刀を持たせて貰った
結果、それを無双に振り回せないジレンマに陥ったようなものでした。

これらの生気溢れるあまりにリアルで魅力的な人物画の質感と、過剰に
までに精緻な空想画(天体画、メカ画)のそれらを同質化する(同じ
画風の範疇に押し込める = 1 人の画家が一貫して良くも悪くも天才的に、
当然のごとく描き分ける)ことがどうしても出来ません。

それぞれ別惑星でのシーンに使い分けるしかありませんかね…。
想定外の難攻不落ぶりに全面撤退(尻尾を巻いて逃げる)です。

同じ ChekPoint F1 ファイルからの描画にして、これだけ歩み寄れない
ほどの LoRA F1 ファイル修飾による表現の差については、逆に新たな
LoRA F1 ファイル発掘への意欲も実感します。

LoRA F1 ファイルを生成する先人様の技量とご精進に尊敬の念を禁じ
得ません。当方はそのように技術的に試行錯誤を経て公開された
LoRA F1 ファイル、ChekPoint F1 ファイルを使って、技術面ではなく
感性で受け入れるか否かの次元に評価基準を留めます。


ご覧いただきありがとうございます。



(20244/10/04-05 執筆)


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