この題材ではSD1.5 が FLUX.1 より圧倒的な魅力。そんなこともあるのか。
flux1-dev-bnb-nf4-v2.safetensors による当方代表作風の描画を
2 記事にわたって纏めましたが、実はまだ未公開の画群にも
代表となる作風はありました。
CivitAI への画の投稿が削除された件での投稿様子見があって、
またそれが無くとも蓄積している画が大量にあって、描画した
時系列順で投稿公開して来たために、まだまだ当面公開予定にも
入らなかった画の中に、「Leonardo.Ai の怪物」という画群が
あります。
既に「過去のジャンル作品」という印象も自身で否めなくなった
自身の SD 1.5 画や SDXL 画をこれからも自身の進化を記録する
意味で CivitAI に時系列順に投稿して行くのか、最近の目覚ましい
表現を持つ FLUX.1 画を一足飛びに交えて投稿して行くのかを
迷っていたところ、その印象上の優劣が逆転するような作例と
なったので、ここに記事化しました。
勿論、CheckPoint ファイルには描画対象の得手不得手があるのは
SD 1.5 時代から理解しており、それゆえに SD 1.5 と SDXL に関しては
自身でも130 を超える CheckPoint ファイルを適材適所で使って来た
訳ですから、これが FLUX.1 全体の優劣を語るのでは全くありません。
ただ面白いなあと感じたのでした。
圧倒的に質の高さで自身の SD 1.5 画や SDXL 画を「過去のジャンル作品」
と思わせるほどの FLUX.1 なのに、こんなこともあるのかという感想です。
CivitAI での時系列順公開をやめる契機となるべく、まずここでSD 1.5 画
や SDXL 画でのこの画群を公開します。そして最近の記事の通り、現在
驚きと満足の中で使えている FLUX.1 の 2 つの CheckPoint F1 ファイルの
画と比べてみます。
「Leonardo.Ai の怪物」
そもそもは 旧 mage.Space に投稿されていた画のプロンプトを
当時、遅ればせながら使い始めた Leonardo.Ai で描画させてみた
ものだったかと思います。(当時はまだ Leonardo.Ai に動画生成は
無かった時代です。)
なので本当は 「旧 mage.Space の怪物」と呼ぶべきところ、自身では
そのように称して整理していました。
backlighting, msfn, A complex piece of alien technology that is impossible to understand. It is covered in intricately detailed objects. Each stranger and more unsettling than the last. Mystery confounds any and all reason leading anyone who gazes upon it directly into a screaming madness
バックライト, msfn, 理解することが不可能な異世界の複雑なテクノロジー。複雑に入り組んだオブジェで覆われている。そのひとつひとつが、より奇妙で、より不安にさせる。謎はあらゆる理性を混乱させ、それを直視する者を悲鳴のような狂気へと導く。
(注:msfn は「Manned Space Flight Network」有人宇宙飛行ネットワーク
の略号か。それを CheckPoint が解釈出来るかどうかはさておき。)
旧 mage.Space は刷新されて蓄積していた画とプロンプトはもうあり
ませんが、Leonardo.Ai での描画はこんなものでした。旧 mage.Space で
興味を引いた画とはかなり印象が違っていました。その振り幅に戸惑い
逆に可能性も感じたものでした。後に Leonardo.Ai に Image2Motion 機能
が提供されて動画化もしました。
そして、限られた数の CheckPoint ファイルしかない(特に使えるものが
あまり無い)Leonardo.Ai 内での描画にこだわらず、ローカルPC の
Stable Diffusion Web UI Forge で SD 1.5 や SDXL でも描画をさせましたら
これが奇想天外な描画を続出させまして、ひとつのカテゴリとなりました。
absolutereality_v181.safetensors(SD 1.5)による描画です。
beautifulRealistic_brav5.safetensors(SD 1.5)による描画です。
beautifulRealistic_v7.safetensors(SD 1.5)による描画です。
kuiAsiaGirlsRealX_v15.safetensors(SD 1.5)による描画です。
29 個の CheckPoint ファイルで描画させたものですから、ダイジェスト
するにも膨大な画数があり、多くを途中で飛ばして本題の後半に回し
ましたが、まさに予測不能、奇想天外です。
「理解することが不可能な異世界の複雑なテクノロジー」をそれぞれの
CheckPoint ファイルなりに解釈した、という感じで、まるで第 2 の
「magic Prompt」の様相です。
それで、大期待で flux1-dev-bnb-nf4-v2.safetensors で同じプロンプトを
描画させました。
ん?……また「alien」をギーガーの「エイリアン」解釈でしょうか。
そのものではなく「リトル・グレイタイプ」の宇宙人目撃例も混じってる?
プロンプト中の「alien,」を「(technology of a different dimension),」
(異次元の技術)に置き換えてみましたが….。
プロンプト中の「alien,」を「(Otherworldly Technologies),」
(異世界の技術)に置き換えてみましたが….。
全画、ほぼ構図も雰囲気も変わらずで、正直ちょっとつまらないです。
CheckPoint ファイル単位での比較なので、LoRA 修飾で下駄ばきさせるのは
如何なものかとも思いますが(何故なら beautifulRealistic_v7.safetensors
(SD 1.5)だって東洋美人画に特化したものなのに上掲の結果ですから)、
3 種類のメカ画用の LoRA F1 を個別に併用してみました。
下駄ばきの甲斐無くあまり変化はなく、つまらない印象は変わりません
でした。
余談ですが、BLUE_mk4_angel_FLUX_01.safetensors を加味させた画と
dvr-transformers-flux.safetensors を加味させた画が、ほとんど変わらない
という不思議な現象が出ましたが、自環境が不完全だというご指摘がある
状態下なので、またそれは別途じっくり調査します。
再起動とプロンプトリコール時に「seed」を「-1」にしておかなかった
ミスが後で発覚したものの、全画がほぼ変わらないのは奇妙です。
「seed」を「-1」にして再描画しましたら、少しは変わりましたが
全体的に「コケ脅し的な画」の印象は変わりませんでした。
もう1つの期待の fluxAsianRealistic_v10Fp8.safetensors でも描画しました。
こちらは少しバリエーションと意外性もありますか。
しかし SD 1.5 の予測不能な感じはないです。
バリエーションにも「それじゃない」感も多々あります。
LoRA を足してもあまり効果が無いように上掲で感じたので、こちらでは
その下駄ばきは試していません。
ちょっと期待が大き過ぎたでしょうか。人物肖像、メカ画などと同様に
もっと期待を超える結果に驚かせて貰えるかと期待してしまってました。
そんなこともあるんだな、と思いましたが、個々の画の画質は流石に
重厚で緻密、立体的ではあります。
後回しにしたその他の SD1.5、SDXL での描画を纏めてダイジェストします。
改めてアルファベット順なので、SD1.5、SDXL はごちゃ混ぜで出て来ます。
(CheckPoint ファイルの明示はキャプションに添えます。)
SDXL 系では「alien」のギーガー「エイリアン」解釈は目立ちました。
やっぱり SDXL 系は FLUX.1 と同様にギーガー「エイリアン」が多いです。
SD 1.5 では不思議で予測不能の画が続きます。
珍しく SDXL 系でもギーガー「エイリアン」になりませんでした。
逆に珍しいです。
あ、やっぱり出ましたね(^^)。
sd_xl_base_1.0.safetensors (SDXL)では全画ノー「エイリアン」でした。
旧 mage.Space の無償 SDXL はこの CheckPoint ファイルを使わせていたと
推察していましたので、最初に目に留まったのはこのような画だったの
でしょう。今は手元に残っていませんが。
それを Leonardo.Ai で描画させて大いに面食らった覚えがあります。
sdXL_v10.safetensors(SDXL)ではギーガー「エイリアン」と未知の設備
の折衷という….。
sdxl10ArienmixxlAsian_v40Pruned.safetensors(SDXL)は全画ギーガー
「エイリアン」でした。
改めて振り返ると SDXL 系は sd_xl_base_1.0.safetensors を除いて、
プロンプトが「alien」だけでも結果変わらずが多数の印象で、FLUX.1
描画と同様に正直のところ、つまらないです。
元々の目に留まった画が 旧 mage.Space 上の無償 SDXL によるものだった
のに、そのピンポイントでの「ギーガー・エイリアン回避」が逆に
不思議な感じもします。
SD 1.5 は「理解することが不可能な異世界の複雑なテクノロジー。複雑に
入り組んだオブジェで覆われている。」の解釈にとても誠実な印象でした。
その意味でも、やっぱり SD 1.5 描画はあなどれません。
画の重さ、立体感などでは若干地味に絵画側に寄る印象もありますが、
プロンプト解釈の深さと広さは流石の長期熟成というか取捨選択に
よる栄枯盛衰の厚み(短い年月ですが相対的に)を感じさせます。
ご覧いただきありがとうございます。
(2024/09/15 執筆)