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HipHopがどんなに大衆的になっても教えておきたい本当のRESPECT

フリスピは最近、インストラクターPrinceの繋がりから北谷町美浜で行われるアメリカ人とのストリートカルチャーセッションに呼ばれるようになりました。

と言っても、最初はPrinceだけが呼ばれていたものに「行ってみる?」と数名に声をかけたのがはじまり。

アメリカ人が集まるセッションがどんな熱気か、どんな態度で人々が集って踊るのか、ダンスのニュアンスはどんなんかバイヴスを伝えられたらいいなと思っていました。

元々は超シャイなメンバーだから、行って空気に圧倒されるんだろうなと思っていたけど…。

一応、最初から「せっかく来たんだから踊れよ」と圧をかけるわけで。(なんでも最初のシチュエーションをどうセットするかが大事w)

それでも「ビビるんだろうなー」と思っていたら、あら。びっくり!!

やっぱりリアクションがある場で、外で、踊るのって超楽しいみたい!

ご覧の通り、爆発したわけです。みんなの思い切り自分を表現する様子がとても嬉しかった。

さて、踊ったら気持ちいいし、保護者含めとっても興奮したし、また行きたいとなるわけですが。

2回目に行った後はマネージャーはモヤモヤモヤ…いろいろと考えました。


結果から言うと、このストリートセッションは、メンバーにずっと座学で教えてきた「どうやってHipHopが生まれたか」「カルチャーのリスペクトとは何か」を教えるきっかけとなりました。

セッションの主催はCayne. 普段はミリタリーをしながらラップをする。最近はSpotifyなど各種ストリーミングサービスに音楽を作って配信する若いアメリカ人です。

彼は「ストリートカルチャーをサポートするんだ」と、自分たちのラップだけでなく、ダンス、スケートボードの場をつくる。自ら人を集めてこの空間を作り上げている。

労力がいることですよね。

みんなが互いのアートを見て、歓声をあげて「よかったよ」と互いに言える場をつくってる。

言わずもがな、彼がつくる空間がメンバーの小さい背中を強く押したんです。メンバーはセッションの楽しさをもっと知ったし、自信を得たし、違う感覚を掴んだ。

でも、じゃあ私たちは彼らのアートを応援してる?

ラップ聴いてる?

ダンスしている時に、アメリカ人ダンサーに積極的に関わりにいったり、Supportの気持ちを伝えてる?

学んだ英語でコミュニケーションとってる?

美浜ストリートセッションをきっかけに考えたマネージャーの私。

ブラックであるPrinceが呼ばれたマジなブラックカルチャーの場に「習い事の生徒です」「成果披露の場です」と連れて行くのは論外。

なぜ、こういうセッションがアメリカのカルチャーとして起こったのか。

黒人の歴史も昨年のBLMの流れから生々しく伝えてきたわけだから、ここで本当の意味で「カルチャーへのRESPECT、空間へのAppreciation」を教える。

それが美浜セッションを経ての「教え」の気づきでした。

子どものダンスを披露してそそくさと帰る。そんな場ではない。

これを強く強くメンバーと保護者には伝えています。

「HipHopかっこいい!」で文化を享受しているつもりが、いつの間にか盗用になってはいけない。

羨望とリスペクトをはき違えて参加してしまう軽いダンサーに育ててはいけない。

カルチャーとして存在する場を、習い事スクールの成果発表の場にしてはいけない。

アートをサポートし合う場を、単なる子供の度胸試しの場として考えない。

この感覚をもっているかどうかは、カルチャーに関わる人の深度として大きく違うと思っています。厳しいけどそういうこと。

「なぜ黒人のコミュニティからサイファーやブラックカルチャーが生まれたのか。リスペクトや謙遜、カルチャーのサポートってどんな態度のことなのか」

受け身ではなく自らも関わりにいく。

自分だけ見せて「満足、終わりー」じゃない姿勢。

己が見せているアートへの姿勢は必ず、自分のアートに対して跳ね返ってきます。

そんな思いで2回目の美浜セッションの後、今一度、NIKA、Sera、KARIN、Elenaには20分くらいレクチャーしました。笑 個別で。お母さんたちにも。笑

私には決して切り離せないわけです。Princeが黒人として経験している辛いことと、それをダンスというカルチャーを通して昇華する行為と、日本に住むダンサーとして感じている商業主義的なHipHop実践者への冷静で鋭い洞察。

それを代弁しつつ、子どもたちに伝えました。これがフリスピの応用クラスのレッスンといっても過言ではないほど。教養の教授です。w

でも、すべては本当の意味でメンバーが世界的なダンサーになるために。

人とカルチャーと社会を巡る国際的には当たり前の感覚をもって、教養と思慮深さのあるダンサーになることを期待して。

さて、今日10月15日はフリスピ3周年記念日。

そして明日は3回目の美浜セッション。思い切り楽しもうと思います!


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