海外ではCEFRが当たり前? #CEFR #人事のお悩み
《今回のポイント》
ダイアログ・海外ではCEFRが当たり前?
水澤さんは、株式会社英会話スキル研究所の人事部で採用を担当しています。今日は学生時代の友人で、外資系企業に勤めている福山さんとランチを食べています。
水澤「やっぱり私も英語できるようにならなきゃなーと思って、またTOEIC®L&Rの勉強はじめようと思ってるんだ♪♪」
福山「なんでTOEIC®L&Rなの?」
水澤「だって、英語の勉強と言えばTOEIC®でしょ!」
福山(それは、英語学習の目的次第なんだけど…)
「すごく極端に言うと、それって日本だけの考え方だよ?」
水澤「え!? TOEIC®ってもともと海外のテストなのに?」
福山「僕が言いたいのは『英語の勉強と言えばTOEIC®L&Rだ!』と考えちゃう人が多いのは日本だけだ、ってこと。
そもそも、L&RはListening and Readingっていう文字の通り、読み書きのテストだよね。読み書きのスキルを上げたいんだったらもちろんTOEIC®L&Rは有用だし、その勉強をするのがベストだと思う。
でも、水澤さんは仕事で英語を使いたいんでしょ?その観点で考えたら、もっと必要性の高いスキルがあるんじゃない?」
水澤「もし、一緒に働く人にどっちのスキルを持っていてほしいかって考えたら、読み書きよりも、英語をスムーズに話せるスキルかも…」
福山「うん、僕もそう思う。
これまで、日本の学校や企業ではTOEIC®L&Rが重視される傾向があったけど、最近は【話す力】も定量的に知るために、CEFRを導入する企業も増えてきてるよね。僕の会社もそうだし」
英語を【話す力】を定量的に示す指標のCEFR。
でも、水澤さんはまだ腑に落ちていない表情です。
水澤「でもでもでも!TOEIC®L&Rの勉強が、まったく無意味ってわけじゃないでしょ?やっぱり英語を話すのって難しいし、文法をちゃんと理解して、単語をきちんと覚えてからじゃないとダメだよね…って思うんだけど」
福山「それが日本人的発想ってこと!
もちろん、TOEIC®L&Rの勉強はムダじゃないよ。英語を読み書きする力を高めたいならTOEIC®L&Rの勉強をすればいいと思う。
でも、英語を【話す力】を高めたいなら、【話す力】の指標であるCEFRに基づくカリキュラムやテストを使って、話す練習をした方が効率的だよね」
水澤「う…確かに…」
福山「CEFRってもともとヨーロッパで生まれた指標なんだけど、それは、他言語の国で就労するのが珍しくないEU圏内で、雇う側も働く側も後から困らないようにするため。【話す力】は、どんな仕事を任せられるかという判断に直結してくるからね。
CEFRは英語以外の言語にも当てはめられる枠組みだから、実は、海外ではCEFRの方がかなり一般的だって言っても、過言ではないと思うよ」
仕事で英語を使うと考えてみると、重要になってくるのは【話す力】。
やっぱりCEFRをベースに考えた方がいいのかな…と思ってしまった水澤さんなのでした。
~海外ではCEFRが広く定着しています~
①1990年代にEUが発足したことで、EU圏内であれば非母国語の国でも日常的に働く人が増加しました。仕事をするとなれば「どの言語を、どのレベルで話せるのか?」は重要なポイント。そこで《その言語をどれくらい使えるのか?》を定量的に示すために、CEFRが誕生しました。
②CEFRは英語以外の言語にも適用される指標です。したがって「私は、英語はC1レベルだけど、フランス語はB1だ」といった使い方をします。
→この人は《英語ならロジカルな議論を流ちょうにできる。フランス語でも、日常会話はある程度のレベルでできる人だ》と示せます。
=「英語はペラペラで、フランス語はそこそこです」といった曖昧な表現でスキルのレベルを勘違いするような事態が起こりにくくなります。
参考記事
CEFRの成立背景から英語学習における活用、ビジネスシーンで求められるCEFRレベルの説明などをまとめています。
プロゴス社「PROGOS®」サイト内:
「評価指標のCEFR」
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