大学教員公募 外部獲得資金
2023年度もあと2週間と少しで終わろうとしている。大学教員公募状況をJREC-INで確認をしてみると、早くも来年度の専任公募が出ており、2024年度採用に向けて動き出している大学も見られる。私は人文系の言語学関係を見ているが、少しずつ専任公募が出始めたなと感じる。
提出書類に関する記事は、このblogでいくつか書いてきたので、これから公募を出してみようかと考えている方は、ぜひ参考にしてほしい。もちろん私の経験で書いているが、同僚や諸先輩の話を伺いながら、書類選考や業績について記事を作成したので、参考になれば幸いである。
さて、研究業績項目の中に、大学によっては「外部資金獲得状況」を書かせる(または聞いている)ところもある。いわゆる、学振または科研費の獲得状況についてである。こうした学術関連の資金は限られているし、誰でも科研費など採択されるわけでもない。しかし、もし「外部資金獲得状況」に科研費などが書けるのであれば、アピールポイントになることは間違いない。もし他の候補者と優劣をつけるとなった場合、研究業績や科研費獲得は1つのポイントとなるであろう。
ましてや国公立はこの資金獲得は外せない点である。個人的な意見だが、外部資金獲得なしで国公立の公募を出願するのは厳しいかなと感じる。または私立の研究大学についても、資金獲得項目は重要視されるであろう。予算が限られている国公立大学は個人研究費を大学の研究費に頼ることは難しい。そうすると、研究費は科研費などから獲得する以外にないだろう。
私は初めて科研費が採択されるのに、随分と時間がかかった。正直、10年はかかっている。大学に着任した頃は、申請書の書き方も全く理解できておらず、研究項目も今思えば、全くなっていなかった。大体のことを理解し始め、科研費申請書類もきちんと書けるようになり、毎年出願を続けてみた。それでも不採択。不採択のランクも、ほぼ毎回Cランク。公募選考と同じで、研究能力ないのと、これも「運」しかないのかなと感じたくらいである。
もし機会があれば、「分担研究者」として科研費研究に参加すると良いかもしれない。実際、私も分担研究者として、初めて科研費に携わったことが大きいと感じている。分担研究を通じて、研究発表を行い、とにかく何かを「書いて」成果を残すことが重要である。きちんと成果を残すには、論文や報告書しかない(なるべくオープンアクセスで)。
特にここ最近は、科研費申請書の「研究業績」項目がかなり見られていると聞く。研究業績部分を埋めることができなければ、採択は厳しいのだろう。また業績は確かにたくさんあることは良いが、科研費では自分の研究テーマと業績内容がリンクしておかないと、意味がないようである。
大学が指定している履歴書や研究業績ファイルに「外部資金」項目があれば、もちろんこれは記載すべきである。仮にこの項目がなければ、その他の項目にでも、ぜひ自分の研究成果はアピールするべきである。もし公的資金の獲得はないが、勤務校の「研究費」が審査付きで採択された場合も、きちんと明記しておくべきであろう。
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