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「やらない理由を考える前に」

業務効率化をテーマにしたセミナーや記事は数多く存在します。
「効率的に仕事を進める」「自動化で時間を作る」「無駄な会議を減らす」。
そのどれもが耳障りが良く、確かにやってみれば成果が出ることが多いのも事実です。

それでも、「業務効率化は大事だとわかっているけど、なかなか取り組めない」という人が多いのも現実。

なぜでしょう?

私はこれまで、業務効率化の支援をしてきた中で、多くの企業や人々と向き合ってきました。
その中で見えてきたのは、「やればいいとわかっているけど、できない」理由は多くの場合、外的な問題ではなく、内面的な壁にあるということです。



やらない理由を探す癖

効率化が大事だと頭では理解していても、実際に行動に移せないのは、「やらない理由」を考える癖がついてしまっているからではないでしょうか。

たとえば、こんな言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
• 「忙しすぎて、新しい仕組みを試す余裕がない」
• 「失敗したら、もっと時間がかかるかもしれない」
• 「現状でそこまで困っていないし、リスクを冒す必要はない」

これらの理由は、一見もっともらしいですが、実際には「現状を変えることが怖い」「慣れたやり方を手放したくない」という心の声が隠れていることが多いのです。



本当に「できない」のか?

ある企業での話です。
営業部門の業務効率化が課題となっていましたが、チームリーダーは「現場が忙しくて、改善に取り組む余裕がない」と言っていました。
私はリーダーにこう尋ねました。

「たとえば、いきなり大事な取引先からクレームが来たらどうしますか?」

彼は「それは、もちろんすぐ対応します」と答えました。

つまり、「余裕がない」というのは実際には「優先順位を上げていない」というだけの話だったのです。
本当に重要だと思えば、人は行動を起こします。



なぜ、現状維持が心地良いのか

人間の脳は、変化を嫌うようにできています。
新しいことに挑戦することはエネルギーを消耗するため、無意識に避けようとするのです。

効率化に取り組むことで、長期的には時間やストレスが減るとわかっていても、短期的には仕組みを変える労力が必要です。
その「短期的なしんどさ」が、現状維持の言い訳を生む原因となります。



小さく始める、リスクを減らす

では、どうすれば行動に移せるのでしょうか?
私が提案するのは、「小さな成功体験を積み上げること」です。

すべてを一度に変える必要はありません。
たとえば、以下のような小さなステップから始めることができます。
• 会議の時間を15分だけ短くする
• 毎朝、1つだけタスクの優先順位を決めてみる
• スプレッドシートの自動計算機能を試してみる

「やらない理由」を探す癖がついている人にとって、大きな変化は負担に感じます。
しかし、小さな変化なら、「これくらいならやれるかも」と思えるはずです。
そして、実際にその変化が効果をもたらしたとき、効率化のメリットを実感し、次の行動への自信に繋がります。



未来の自分への投資

効率化に取り組むことは、未来の自分に投資するようなものです。
今、少しだけエネルギーを使って新しいことに挑戦することで、1週間後、1か月後の自分が楽になれる。
それを思い描くことが大切です。

「やらない理由」を探している時間があるなら、そのエネルギーを「どうすればやれるか」を考えることに使うべきです。



まとめ

業務効率化は、魔法のように一瞬で成果をもたらすものではありません。
それでも、少しずつ取り組むことで、自分自身の時間やストレスを減らし、より良い毎日を手に入れることができます。

「やらない理由」を考えるのは簡単です。
でも、その時間を「まずは1つだけやってみる」に変えてみませんか?
その一歩が、未来の自分を救う大きな一歩になるかもしれません。

今日、あなたが取り組む「小さな一歩」は何でしょうか?

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