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村上隆 もののけ京都(京都市京セラ美術館)

「村上隆 もののけ京都」展は、2024年2月3日~9月1日、京都市京セラ美術館新館 東山キューブにて開催。
京都マラソンに行くので、これは絶対見てこなくては、と、あらかじめ電子チケット購入。特に日時指定はないが、そこそこの混雑。会期後半はかなり混む可能性があるかも。京セラ美術館は、京都マラソンエキスポ会場のみやこめっせの隣で、ゼッケンを受け取ってから美術館へ。
本館を通り抜けるところに巨大な阿吽像。ここは入場料払わなくても誰でも見られる。

この通路を通り抜けた先が新館東山キューブ

そして、新館に向かって歩いていたら、外で金ぴかの像を設置途中で驚く。

思いっきりUnder Constructionや!

翌々日、東山から美術館方面を臨んだら、花びらは設置が終わってるっぽく見えた。

そして、QRコード提示して入場。最初の部屋は「洛中洛外図 岩佐又兵衛 rip」と、尾形光琳や琳派トリビュートの花。幅の狭い部屋の両側に絵があって、観覧者皆スパンを意識しつつ写真を撮っている(動画は不可)。洛中洛外図は巨大なので、部分部分を撮るのがやっと。

まだ雲の着色が終わっていないとのことで、しばらくすると、また違った様相を示すことになるかも。


琳派の花。
尾形光琳の花
琳派のお花と抽象的図像



会期に間に合わず、製作途上の洛中洛外図を展示している経緯など。


字が細かいが、この展覧会に向かう、村上隆の心意気などが書かれている。


照明を落とした、六角螺旋堂の中の玄武図。
朱雀図。


カイカイキキの解説。


DOB君
スーパーフラット


書かれている数字はすべて素数。この絵も製作途上で、完成図はかなり変わるらしい。


風神図。この風神は洛中洛外図にも描かれていた。
雷神図。



雲竜赤変図。
曽我蕭白の龍の絵を見たときのショックを思い出す。


雲竜赤変図の向かいに、「金色の空の夏のお花畑」
すごく横長で全体図を撮影するのは困難。


トレーディングカードの意匠。
全体図がピンボケてしまった。壮観だった。


市川團十郎襲名記念
京都五山


京都市京セラ美術館。

2024年2月17日に見に行ったのだが、奇しくも、ぴったり8年前の2016年2月17日に森美術館へ「村上隆の五百羅漢図展」を見にいっていた。村上隆の国内での個展はこの時以来8年ぶり。東京以外での大規模展示は初めてとのことだが、この京セラ美術館の学芸員さんとの縁で、この美術館での展示が実現したとのこと。
五百羅漢展の時も展示されていたのだが、大規模なチーム構成で作品を仕上げていて(ルーベンスみたいに工房がある感じ?)、作品を仕上げるための詳細な指示書が大量にあり、それだけでも壁面一面になるほどであった。
ただ、気が向くままにキャンバスに向かい、描きたいものを描く、というよりは、様々な顧客からの様々な要望、そして画廊とか美術館のキュレーターとかとのしがらみ、色々な納期、そして資金繰り。今回も、展覧会開催経費が膨れ上がり、それを吸収するためのふるさと納税とその返礼品の企画などにも忙殺されたとのことで、その辺の経緯も、展覧会場の各所にあった、村上さんの自画像にふきだしのついた絵画に緻密に書かれている。こうした状況説明もまたアートとなり、後世に状況を伝達するすべとなっている。クリエーターであることもまた息苦しいことだ、と思う。

2月24日の朝日新聞より。
欧米の現代美術界を主な舞台とする村上さん。「日本が西洋と対峙するには、日本人とは何かといったことを分析せざるを得ない」と語り、「芸術で世界は変えられる」と言い切る。今展の作品群は、その姿勢を具現化した、新作による大回顧展といえるのだ
こうした自身の表現の本質は日本では理解されず、「今後はもう日本では古典をやりたくない」と話す村上さん。でも、その密度の高い描写は、専門家だけでなく、誰にでも訴える強度を備えている。

編集委員・大西若人

日本で村上隆展が開催されるのはこれが最後かもしれない。
色々な意味で必見の展覧会。

図録は4月頃刊行予定。現在予約受付中だが、平凡社から一般書として刊行予定。

今はまだリンクないけど、この「五百羅漢展」と同じような形式になるのか。

ミュージアムショップは、展覧会場内なので、観覧日にしか買い物は出来ない。展示されていた作品も含めた版画作品や、花のクッション、お菓子、カード類、Tシャツ等、クリアファイル等、いろいろ。
一人で5万円とか買っている人もいて、うおー、支持されているなー、と感心。

それにしても、ひとつひとつの絵が緻密で、ちゃんと鑑賞できた気がしない。図録を買って、何回も反芻するか、また展覧会に行くか、色々な切り口から考えてみたい展覧会だった。
会期末近くなって行ったら、今回と違った様相になっている可能性も高い。そこまで含めての「村上隆 もののけ京都」なんだろう。

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