小池一子展 オルタナティブ! アートとデザインのやわらかな運動
今週末で終わってしまう、小池一子展に行って来た。アーツ千代田3331@末広町。
小池一子は、本人がクリエーターではないため、その活動の全貌を紹介するのが難しい存在だったと思う。昔から小池一子の名前はよく聞いていたが、その活動をどう紹介すればいいのかよくわからなかった。
展覧会に伺う前に「それはアートなのか?デザインなのか?伝説のキュレーター、小池一子の軌跡を追う」を読んで、肩の力を抜いてアーツ千代田3331へ。
で、行ってみたら、入り口に沢山の人がいて、何事、と思ったら、小池さんと日比野克彦さんのトークショーをやっていた…最後30分だけ拝聴。日比野さんはサッカーの話ばかりしていた。そして、アートで大事なのは「心が動く」ということだと。小池さんは「やわらかい」つながりについて語っていた。演劇になぞらえ「小さい役はない」→小さい仕事というものは存在しない、と。断片的だが、心の動く語り。
それから展示を見に行く。最初に「無印良品」のポスターの数々を見る。小池さんがコピーを作り、田中一光を始めとする、多くのアーティストが作ったポスター。堤清二支配下のセゾングループは、糸井重里のコピーの印象が強いが、別のアスペクトで小池一子が存在感を放っていたことを実感。
それから、小池さんが主宰した佐賀町エキジビット・スペースの展示作品の数々。吉澤美香、大竹伸朗、横尾忠則、杉本博司、森村泰昌など。
「中間子」のコーナーで、小池さんと演劇との関与、セゾン美術館の展覧会のキュレーション、西友のポスタ―などを見る。三菱一号館美術館の上野リチ展(感想ここ)に行って、1987年に京都の飛燕荘という建物で、プライヴェートな感じの上野リチ展が小池一子プロデュースで行われていたことを知ったが、当時の資料も展示されていた。
佐賀町エキジビット・スペースの展示光景を見るとひたすらに「尖った」という印象なのだが、演劇とか美術館とかのスペースで小池一子が展開してきた軌跡を見ると、なるほどそれは「やわらかい」のかもしれない。美術とかデザインとかのアスペクトで時代の意識を具現する何かを創造してきたキュレーターとしての小池一子を強く感じた。
そして、展示されているアーチストたちからの全幅の信頼。
結論が先に来ていて、それを見ているからなのか、と思いつつ、彼女が見せてくれた世界の豊潤を、一つ一つの作品から感じる。
この、誰でも発信できる時代に生きて、人の心を打つ何かは、すぐそこの角を曲がったところにあるのだろうか、とも思うが、そこから、力強い何かを見つける力を見出すのはまた別の力なのかな、などと思いつつ、展示作品をじっと眺めた。
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