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瀬戸内国際芸術祭・小豆島(芸術祭参加作品)

前回(ここ)小豆島に行ったという話は書いたが、今度は小豆島で見た作品の話。
小豆島は広い(153平方キロメートル)。10月22日(土)の夕方、西端の土庄港から上陸し、レンタカーを借り、この日は土庄のスーパーで買い物して、南岸の草壁港あたりの居酒屋で晩御飯食べて、三都半島のたもとのairbnbに宿泊。前日のベネッセのホテルとは大違いだが、大変きれいにメンテナンスされた家で、親戚の家に、親戚の留守に上がりこんで泊まっているような雰囲気であった。

10月23日は朝9時前にairbnbを出て、まずは三都半島を見て回る。小豆島南岸の西部に付き出る三都半島だけでも芸術祭参加作品が沢山あり、全部は見られず。

伊東敏光+広島市立大学芸術学部有志の「ダイダラウルトラボウ」。昔話の巨人のダイダラボッチが、日本列島を作っている途中で小豆島で一休み。山の脇で海を見下ろしているところ。
同じポーズで座る石の台がある。


フリオ・ゴヤ「舟物語」
これもフリオ・ゴヤ。ツリーハウスみたいになっていて全貌写真は撮れず。
伊東敏光+康夏奈+広島市立大学芸術学部有志「潮耳荘」
流木で作られた建物
中で潮の音を聴く
伊東敏光+広島市立大学芸術学部有志の「山声洞」
古墳のような地中のドームの中で山の声を聴く
ブラックデビルの耳みたいだ!
山の声よりも、ドームの中の人と外の人の伝声管のようであった。
尾身大輔「ヒトクサヤドカリ」
古い民家にヤドカリが家を借りた、という風情


田中圭介「Utopia Dungeon」わたしたちが行った前日も田中さんいらして少し製作活動を進めていったとのこと。
家全体が作品で、全貌は伝えにくい。残っている家具の中にも石膏作品などが飾られていた。
チャールズ・ウォーゼン「ポップストップ」
バスターミナルをこいのぼりみたいな模様の布で覆っている。

すっかり三都半島だけで時間をかけてしまい、慌てて移動。更にギリシャ風車を見に道の駅小豆島オリーブ公園に寄ってしまい、ここでも結構時間を取る。

魔女になりたがっている人々。
インスタ用なのかどこでもドア的なもの

そしてあたふたと、南の海岸線を東進し、ひしおの里地域に来る。色んな会社の醬油工場がある中、ここもかなりの作品が点在。


清水久和「オリーブのリーゼント」
近くの工房でリーゼントのかつらを貸してくれます。コロナ最盛期は休止だったのだろうか。


小豆島で一二を争う面白さだったジョルジュ・ギャラリー
部屋の一角を塗ってあって、スイートスポットから写真を撮れば、正方形が見える構造
これは二間続きの和室の一部を金色に塗ってある
手前の部屋の欄間とか畳とか、妙な角度に金色に塗ってあるのだが
スイートスポットから撮ると金の円が浮かび上がる
ジョルジュ・ルースという芸術家は、インスタレーション作って、撮影したら取り壊してしまう作品が多く、こういう恒久的な展示施設は珍しいとのこと。
横から見るとこんな感じ。


坂手港にあるヤノベケンジ「スター・アンガー」
ゆっくりと回転している。
近くの丘の中腹にビートたけし×ヤノベケンジ「アンガー・フロム・ザ・ボトム」。美井戸神社という神社を復興させ、その御神体になっている。
水は1時間に3回、5分程度出ている。たまたま噴出している時間に寄れてラッキーだった。

いよいよ時間が無くなってきて、田浦地区(『二十四の瞳』の舞台のあたり)は諦める。島の真ん中の最高峰、寒霞渓かんかけいの青木野枝「空の玉」は絶対見なくては、ということで、急坂をぐいぐい登って寒霞渓へ。ロープウェイの駅の脇の駐車場に車を停めて「空の玉」を見に行くが意外と遠い&山道のアップダウンがあり、ハイヒールとかミュールとかそういう履物だと到達が結構大変だと思う。しかし、眺望のいい高台にある空の玉からの景色は美しく、「空の玉」自体も、引きで撮ってもアップで撮っても美しい。前日に豊島で同じ青木野枝の「空の粒子」と言う作品を見たのだが、それは木々と斜面の中に溶け込んでいる感じで、そんなに強い印象はなかったのだが、「空の玉」には心を鷲掴みにされた感じであった。


島の北東部の福田地域は最初から行けないだろうと思っていたが、北岸の小海、屋形崎地域も断念し、山を下り(急坂は下り坂の方が怖い)土庄港方面に向かう。
迷路のまちの入り口付近で車を停め、土渕海峡を眺め、その後迷路のまちを歩く。複雑な小路の組み合わせでどこを歩いているかわからなくなる。海賊の襲撃や、海風を避けるため、あえて複雑な街の作りにしてあるらしい。


土井健史「立入禁止」
宝さがし的に、色々な立入禁止ゾーンに設置してある
全部で15か所位あるとのことだったが、時間がなく5ヶ所位しか確認できず。

そして、とても楽しみにしていた目の「迷路のまち~変幻自在の路地空間~」。目は、千葉市美術館改装時に開催していた「非常にはっきりとわからない」展がすごく面白かったので、期待して来たが、本当に面白かった。
大きな家を一軒まるごと使って、それが大きな白い泡状のものに侵食されている、という風情で、白い石膏状のものに覆われかけた家のなかを手足を使って移動する。中で迷っている人もいて、わたしたちが入ろうとしたときに、出口まで行くのを諦めて、入り口から帰っていった人もいた(いやそこまで複雑じゃないと思うけど…)。
写真では伝わりにくいが何枚か。

家の外観
入り口
入った部屋の中で窓が埋もれていた。
あっちは風呂場か!
風呂桶が石膏の中に沈んでいる。
階段もすっかり白いものに覆われ、斜面をよじのぼって2階へ


天井も侵食され釣り蛍光灯が埋まっている

大いに満足して家を出て、近辺の作品を幾つか眺め、エンジェルロードを一瞬見に行って急いで土庄港に戻る。車を返却し、フェリーの切符を買い、待ち時間の間に土庄港の作品を見て、これで瀬戸内国際芸術祭ともお別れだ。


コシノジュンコ「アートノショーターミナル 対極の美ー無限に続く円ー」
チェ・ジョンファ「太陽の贈り物」
キム・キョンミン「再び…」

ちなみに、ジョゼ・デ・ギマランイスによる、芸術祭のサインも、参加作品のうち。ギマランイスは大地の芸術祭でもサインを作っていたし、作品も展示されていた。

小豆島は、また次回の瀬戸内国際芸術祭のときに再訪出来たらいいな、と思った。3年後? まだ行ってない島が沢山あるから、計画的にフェリー乗り継いで色々な島に行ってみたい。

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