映画レビュー「呪詛」
皆さんこんにちは。
最近話題の台湾ホラー映画「呪詛」を観たので感想を書きます。内容が気になる人とどれくらい怖いか気になっている人はぜひ参考にしてみてください。
映画のホラー要素とこの作品がオススメな人
まず最初にこの作品のホラー要素の程度とおすすめポイントを書いていきます。
・怖さはどのくらい?ホラー苦手でも観れる?
→ぶっちゃけそこまで怖くはなかった。私自身はホラーはそこまで好きでなく、積極的に観るタイプではないですが、この映画はそこまで恐怖を駆り立てられることはありませんでした。
恐怖要素としてはびっくり系のシーン多め。虫や蓮コラ描写が多いので苦手な人は注意。じわじわ怖がらせるようなシーンはあんまりなかった印象です。
宗教、田舎の村、禁忌の場所などジャパニーズホラーにも定番の要素で構成されているのでそういうのが好きな人はかなり楽しめるのではないかと思います。
あらすじ
流れとしては、自分の子供に呪いがかかったからそれを解消するために母親が奔走するというものです。
この映画では、主役の母親「ルオナン」が手持ちビデオカメラで撮影した映像を、動画サイトで実況配信しているという体で進行していきます。そのため観客はその配信を視聴している視聴者という立場で物語を体験していくこととなります。
次の項目からネタバレありで書きますので、見たくない人はブラウザバックお願いします。
ネタバレと感想
一言でいうと、この映画は結末の「仕掛け」を作動させることだけに全力を注いだ映画という印象でした。
先ほど述べたようにこの映画の視聴者は、ルオナンが動画サイトに投稿した実況配信を見ているという体で進んでいきます。
初めから終盤までは、「娘のために力を貸してほしい」「一人でも多くの人に娘を守る呪文を唱えてほしい」とルナオンから説明されます。
しかし最終盤で、この呪文は救いの呪文ではなく、唱えた人に呪いの効果を分け与える呪文だということが明かされます。
そのため良かれと思ってこの呪文を唱えた視聴者はこの後自分にも呪いが降りかかるかもしれないという恐怖にかられ、非常に後味の悪い気持ちにさせられるという仕掛けです。
このような仕掛けはほかの映画では見ないもので、とても感心させられました。普通のホラー映画は見ている本人は映画の世界とはどうしても隔たりが存在しますが、この映画は最後の最後でその壁を突き破ってきます。自分が映画の世界に引きずり込まれる感覚は、とても新鮮でした。
またビデオカメラ視点の映像も臨場感があって物語の世界に没入するのに一役買っていた印象です。
私はこの映画を見て、昔はやったチェーンメールを思い出しました。このメールを見た人に不幸が降りかかる、それが嫌ならこのメールをほかの人にも送れというやつです。
チェーンメールも受け取った人を問答無用に被害者にさせる、いやな気持の押し売りという感じで、呪詛もそういう仕掛けを意図して作られた映画のようでした。非常に意地の悪い作品ですね。
微妙だと感じた理由1.終始ルオナンが信用できない
個人的にはそこまでのインパクトはなかったかなという印象です。まず劇中のルオナンの行動です。これは見た人が娘を助けるために祈りたくなるような内容でないといけないということですね。
作中のルナオンの行動はあまり一貫性がなく、「娘が助かるにはこれをしてはいけません」と言われた約束を全く守りません。個人的には一連のルナオンの行動をみて、こいつ娘を助けたいのかそうでないのか、どっちなんだと疑問に思ってしまいました。なんなら実際はルオナンがネグレクトをしているのでは?とまで予想してました。
という感じであんまり主人公を応援しようという気が起きませんでした。例の呪文についても、「めっちゃ祈らせてくるやん、こいつ絶対なんか裏あるだろ」と感じたので、結末の意外性もちょっと薄れてしまった感じです。
微妙だと感じた理由2.呪いの正体がよくわからない
作中では何度も何度も呪いによって被害が生じますが、その発生源やなぜ呪いが発生するのかは説明はほとんどありません。周囲の人間のほとんどに呪いが発生するので、何をしたら呪いを受けるのかというルールがわかりません。なので最後にルオナンから真実が伝えられた時も、「やられた!」と感じるよりも「結局呪いってなんなの?」という思いが勝ってしまい、なんか騙されたことはわかるけどそれ以外の詳細がよくわからなかったな、となってしまいました。
まあこの部分は自分の理解不足という点があると思いますので、ほかの人はそんなことは一切思ってないかもしれません。
まとめ
最近話題になっている作品なだけあって、意外性のある非常に楽しめる作品でした。映像も怖い、キモイと臨場感があって良かったですね。
ただ最後の「自分も加担してしまった」という部分が自分はそこまで実感がありませんでした。やっぱりか…、と感じてしまったのが正直なところですね。理由としては先ほど述べた通りルオナンの作中での行動が大きいです。
まああくまで個人的な感想なので、ホラーが好きな人も、ジャパニーズホラーチックな作品を求めている人にもとてもおすすめです。
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