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平成最後の夏に新たな夢を見る-ペンギンハイウェイ-
どうも山ぱんだくんです。すいませんここで真面目なこと言うんですけど、今週のコンテンツ会議に前回の記事「ヒーローになれなかった僕たちへ」がピックアップされました。誰かが私の文章を見つけて読んで「これ、いいよ」と推してくれたのかななんて思うと泣きそうです。泣かないけど。
さてさて君が好きだと叫びたい
記念すべき第20回は平成最後の夏に新たな夢を見る
平成最後の夏ってっっっっっエモッッッ!!!
第二十回 平成最後の夏に新たな夢を見る
平成最後の夏に何があったか
梅雨が最短で明けた。
シロナガスクジラが由比ヶ浜に打ち上げられた。
甲子球場の閉幕に虹がかかった。
それから
ペンギンハイウェイに乗った。
小学生のアオヤマくんは今日も忙しい。一日一日、世界について学び、学んだことをノートに書き留める。利口なうえに毎日努力を怠らないから「きっと僕は将来偉い大人になるだろう」
そんなアオヤマくんの最近の研究対象はミステリアスでおっぱいの大きなお姉さん。
ある日、海のない住宅街にペンギンが突如大量に現れそして消えた。彼らはどこからきてどこへ消えたのか?謎の鍵はどうやらお姉さんにあるらしい。「君にこの謎が解けるかい、少年?」
ミステリアスでおっぱいの大きなお姉さん、ペンギンが降る不思議な現象、秘密の森にかわいいペンギンたち。それらは現実の僕たちが持っていないもので「うわぁ~、いいなぁ~」と羨ましくなるのだけど、それと同時に不思議な懐かしさがあった。
それはきっと淡くやわらかな色彩で描かれた入道雲が、うだるような暑さの駅のホームに転がるコーラの空き缶が、夏の空を見ながら涼しい喫茶店で飲むコーヒーが、何かが起きそうなキラキラした気持ちが、たしかに僕たちの知る夏休みの記憶でもあるからなんだろう。
文字とイラストのぎっしり詰まったアオヤマくんのノートに親近感を覚えつつ僕がこの映画の中で何よりも羨ましくて仕方なかったのはウチダくんの存在だった。ウチダくんは弱虫でビクビクしていて、そこまで頭はよくないのだろうが優しい子。そして彼はアオヤマくんとともにプロジェクトアマゾンを遂行する仲間である。きっとアオヤマくんは孤独でも黙々と研究を続けるのだろう。それでもやっぱり、一緒に不思議を追いかけられる友達がいるっていいなぁと思いながら彼らの研究活動を見ていた。僕にはウチダくんがいなかったから。
夏の終わりに少年は新たな夢を見る。新たなペンギンハイウェイが始まる。平成最後の夏にこの映画に出会えて本当に良かった。
希望に満ち溢れた彼の輝かしい未来は眩しいけれど、アオヤマくんと同じ夏をたった二時間で過ごしたならば、この夏に一種のノスタルジーを感じるならば、きっとその眩しさに目を瞑らなくても大丈夫。
だって僕たちも日々世界について学び、努力を怠らず、そこから新たな夢を見ることができるから。それは新たなペンギンハイウェイ。海と陸を結ぶ一本道はいつだって僕たちの立つ場所から始まる。