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いとこ(8)が写真うつる時全部同じ顔

どうも山ぱんだくんです。正月は「うわあああああんやだよおおおお」とわめきながら毎日四キロ走っています。食べても太らない奴ら全員許さないぞ委員会。

さてさて山ぱんだくんと月曜の理屈
第八十八回は「いとこ(8)が写真うつる時全部同じ顔」
お正月のお話。

第八十八回 いとこ(8)が写真うつる時全部同じ顔」

正月の親族の集まりの時の写真を見ていて、いとこ(8)が全部同じ顔でうつっていることに気が付いた。見事に同じ角度、同じポーズ、同じ表情を決めている。なんということだろう。この娘は八歳にして自分の一番可愛く見える顔を知っているのだ。…まあ、僕も毎回写真を撮られる度に困った顔をして映っているのでこれはこれで同じ顔かもしれない。

そんな従弟たち五人の中でも二番目の年長者になるわけだが、多分一番危ういのが僕で、だからなのかよく分からないけれどその日、ばあちゃんは「みんなには秘密だよ」と言って僕にだけサーティーワンのシングルコーンのタダ券をくれた。冬だけど。
ばあちゃんは僕の就職先について、最後まで「博士課程に進むのが一番いいんじゃない?」と言っていた。

寒空の下でひとりジャモカアーモンドファッジを食べる。コーヒー味のアイスの中にナッツが入っていて、サーティーワンの中で僕の最推しなのだが何故か不人気四天王らしく常に消滅の可能性と隣合わせなので行くたびにせっせと食べる。僕がこいつを支えてやらねばならない。多分商品名が長すぎるのがネックなんじゃないかな。日本人ってプライド高いし。

祖父母は十二歳差で、じいさんは二年前に死んだ。その日、なんの話の流れかは忘れたがばあちゃんがポロっと言った。
「じいさんの歳までは、生きたいわ」
彼女が遅れてやってきた十二年間を、じいさんがいなくなった世界でこれから生きていく。彼が最後に見た景色に、周回遅れで彼女が辿り着く時彼はいない。そう思うとそれがなんだか悲しくも美しく思えて、泣きそうになったので鼻をかんだ。

#エッセイ #日記 #コラム