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ニットタイ・アウトライナー・開会式前夜 | 20210722 | #フラグメント やがて日記、そして詩。13

今日は休みだったので朝食に昨夜の餃子と冷蔵庫のなかに残っていた豚の角煮とごはんを食べた。テーブルにならべたあとに、しまったと思ったが、捨ててしまうのももったいないので食べることにした。

案の定、眠くなった。

血糖値スパイクが起きやすいせいで仕事中もあまりごはんを食べない。だから、どんどんと痩せていくいっぽうで最近はかなり体重が落ちてきて、そろそろまずい気がしている。

ひとしきり、眠ってから、今日は買い物にいくと決めていたので、行きつけの服屋に行ってニットタイを買った。いま、職場でネクタイをしめているのは僕だけだ。街中をみても、みんなクールビズでネクタイなんてなんのそのという時代になってきた。

これは、逆に言えば、ネクタイの復権でもある。スーツもだんだんと和服のように着られなくなるのだろうが、ファッションを本当に楽しみたい人のためのものとしてネクタイやスーツが帰ってくる。作業着としてのスーツの時代は終わるのだ。(ふと、テレビで見た「パジャマスーツ」なるリモートワーク用の服を見たときには絶望した。)

ともあれ、とてもさわやかな夏らしいものが買えたので夏は毎日これでいようと思う。気に入ったものはずっと使うタイプだ。

それから、今日は久しぶりにジュンク堂に行った。東急本店はもう建てかえでなくなっているものとすっかり思い込んでいたが、しっかりまだあった。「土佐日記」が読みたくてさまざま見ていたら、4冊ほど買って帰ってきた。

①紀貫之『土左日記』(岩波文庫)
②『芥川龍之介全集8 紀行 日記 詩歌 ほか』(ちくま文庫)
③千葉雅也・山内朋樹・読書猿・瀬下翔太『ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論』(星海社新書)
➃『現代思想 特集 いまなぜポストモダンか』(青土社)

いま、このnoteでは「日記」について考えているのでそれ系の資料として「土左日記」やら芥川の日記やらを買ってきた。Twitterを見ていて『ライティングの哲学』は読みたいなあと思っていたので今日は帰ってくるなりこれを読んでいた。

この本の半分以上は「アウトライナー」について書かれている。

数年前に僕もアウトライナーとしては「Workflowly」を使ってみたことがあったので、なるほどなるほどと思いながら読むことができた。ただ、当時はあまりよく使い方がわからないまま、どう使うかを考えて使っていたわけではないので、数回使ってやめてしまっていた。

しかし、よく考えれば、下書きのように、箇条書きでアウトラインを決めておく、というかそもそものアイデアを、Twitter的にぽつぽつと書いていって、あとで、それを整理する、というのは文章を書くまえにやっておきたい作業だ。

そして、だいたいのアウトラインができたうえで文章を書いていくと安定的に書いていくことができる、ような気がする(いまは)。

今回の文章も、一旦Workflowlyで箇条書きメモを作ったうえで書いてみている。なんだか書くのが止まらなかった。そして、結果的に、全然違う文章になっている。

結局、書き散らかしている。

いや、それでもいい。

あくまでこの「日記」をどう稼働していくかを考えつづけられる、そういう断片になっていればいまはいい。現に、資料としての本を今日はいくつか仕入れてきている。行動している。そのメモ、痕跡、引っ掻き傷が毎日、残っていればいい。

断片的であること。

  *

ついに、明日、オリンピックの開会式があるらしい。だが、連日、誰々の過去が問題で辞任だとか解任だとか、前日になって開会式を全面的に見直すなどというニュースが届く。「それみたことか」という声が聴こえる。というか、マスコミも「それみたことか」と言いたい欲望に応えるがために、そういうネタばかりを投入しているようにも見える。もちろん、サンクコスト的に考えてある程度のところで辞めておいた方がよかったのではと思ったりもするし、はじめから無観客にしてテクノロジーで魅せる大会に方向転換して準備してきた方がよかったのではとか、素人意見はいくらでも出てくるが、足のひっぱりあいというのか、唾のはきあいというのか……、ほんとうにおそろしいのは、いま、現場で対応している人たちだと思う。前日に、「全面的に見直す」というニュースを見た時に、きっと同じ「時間」で生きていないのだろうと思った。それくらいにパラレルな世界で生きている人たちだと思う。大会の運営に、もし自分が関わっていたら、なんて考えるだけでおそろしい。普段、仕事をしていて、問題が起こるたびに対応に追われ、なんてことを繰り返しているので、本当に気の毒だと思う。まさに泥仕合となったなかで、誰も命を落とすことがないように、と切に願う。

開会式前夜である。

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佐々木蒼馬-aoma‐
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