即興詩 | 地下鉄 | 20210719 | #フラグメント やがて日記、そして詩。10
地下鉄のにおい
少年のあこがれ
地下深くから吹きすぎる風は
なつかしいおもい
あのころの
乗ることが目的だった地下鉄に
毎日乗り降りしていると思うと
大人になったような気がして
しかし
ときおり
地下から地上へと出る瞬間があって
鉄道も
上り坂や下り坂を走っているのだとおもうと
むかしはよく不思議がったものだが
いまでは
なんの感動もなく
車窓のむこうで
疲れた顔をしている
それはあなたも
かつて
少年は夢みた
大人になることが
地下深くを
走ることだとは
想像もすることもなく
いいなと思ったら応援しよう!
Web Magazine「鮎歌 Ayuka」は紙媒体でも制作する予定です。コストもかかりますので、ぜひご支援・ご協力くださると幸いです。ここでのご支援は全額制作費用にあてさせていただきます。