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「年度末反省」のやり方 #155

 校務分掌の仕事の一つで「中間反省」と「年度末反省」を担当しています。PDCAサイクルを回して、学校をよりよくしていく仕事です。この仕事を担当して、もう7、8年です。なぜかとても好きな仕事でやりがいを感じています。

1.「中間&年度末反省」はとても大事

 学校の教育活動をよりよくしていくために、反省はとても大事です。PDCAの「C」ですね。このことの重要性をまずは、提案時に説明します。忙しい時期に反省をすることが多いと思うので、その時に、「反省ある?」よ初めて考えるのではなく、日々反省事項があったら、書いておくようのワードやドキュメントを用意しておくべきであることも合わせて発信しておきます。私は、反省すべき事項を思いついた時点で、書きこむワードのショートカットをデスクトップに貼っています。日々の忙しさに追われて、忘れてしまうものですので。
 現状維持を好む、「公教育」の風土に対して、一石を投じていかなくてはいけないと思っています。

2.なんで最後にしかやらないの?

 いちいち貯めといて最後に一気に出すって、「変」ですよね。
行事ごとの反省もあると思うので、そちらで改善できるようにシステムにすべきだと思っています。
 また、1年で2回(中間反省と年度末反省)しか反省しないのってあきらかに少ないと思います。それくらいしか変えるチャンスがないのって、完全に「停滞」だと思います。変化していくことを怖れずに、よりよい形を求めて、変化していかないと、「公教育」が時代に取り残されてしまうと感じています。


3.まずは、反省が出やすい場づくり

 まずは、反省がたくさん出ないことには、何も変わりません。反省はとにかく量が大事です。同じ内容でも、たくさんの人が思っていることは改善されやすいです。
 そのための方法はいくつかあります。

①自分自身が反省をあり得ないほど出す

 私は、反省をわざと「あり得ないほど」出します。ねらいは、こんなことも書いていいんだ!と思ってもらうためです。私はこれを、同じ学校で8年続けました。記入者を「学年」ではなく、「エンチャント(名前)」にして出します。いや、エンチャントさんの意見多すぎ!と言われますが、作戦通りです。年々、意見の数が増えました。多分「私も書いてみよ」とか「出して当たり前」になったからだと思います。

②日々の会話で思いを引き出し「反省に書いてよ」と言う

 変えたいことは、複数人が出さないとなかなか変わりません。そういうときは、とにかく「会話」です。共感が得られたときは、「反省に書いてよ」と言います。その結果、6学年すべてから反省がでることもありました。それはさすが変えるしかないという状況になります。もちろん、目的は「子どものため」です。学校教育には、「子どものため」になっていないことがたくさんあるんです。それを一掃するまで、私の意味ある根回しは続きます。

4.勝手に「検討事項」にする

 先生方は、控えめなことが多いです。これは、「誉め言葉」ではありません。主体性と行動力がない、「これを言ったら、どう思われるか心配」なのです。まぁそれはおいておきます。
 「内容を見て、検討しないと何も変わらないと判断した内容は、勝手に検討事項に変えます」と提案の時点で了承をえます。その結果、かなり検討事項が多くなります。よりよいかたちにするチャンスが増えるということです。決してめんどくさいことではないです。子ども一人一人の意見も大切に扱うのと同じで、先生方の意見を一つ一つ大事にします。

5.具体的な年度末反省の流れ

実際のものはまさか載せられないので、枠のイメージです。

①個人、学年、部から意見を出す。

反省は、「全体に対して」、と「各部あて」に出します。

ただの意見は「・」
検討事項は「◎」
お願いは「△」
のマークをつけます。

「意見」だけではなく、「改善案」も書いてもらいます。

②保護者からの意見も同列に扱う

 学校評価アンケートで書いていただいた保護者の意見も載せます。それも一つの意見として挙げていきます。結構辛辣な意見もありますが、チャンスの種です。「確かに。」と唸るものばかりです。悔しいですが、受け止めると成長できます。

③◎になっていることを部で検討

 ◎になっている意見について、部ごとに話し合い、改善案について話し合い、部として回答します。

④部からの回答を精査

 部からの回答を受けて、
マークを「◎→・」「◎→△」などに変えます。
案を出した人に、マークの変更を打診します。
了承を得られてから変えます。
得られなかった場合は、解決していないと担当が判断した場合は、◎のままにします。

⑤解決していないものを全体で話し合う

 全体で話し合うべき提案に対して、全体で話し合い、方向性を決定します。

⑥話し合われたことを明記

 話し合われたことは、議事録として明記します。「なんだっけ?」は言わせません。

⑦年度末反省を制する者は、学校を制する

 これからの学校は、変化を怖れず、よりよい形を目指していかないといけないと思います。「現状維持」は「停滞」です。「変化」を怖れず、厭わず進む!年度末反省を制する者は、学校を制すると思います。

 以上、エンチャントでした!



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