📗『喜嶋先生の静かな世界』を読んで

こんにちは、考えたい人◎えんちゃんです。
今日は講談社文庫『喜嶋先生の静かな世界』森博嗣著を
読んだブックレビューを書いてみます📗

レビューと言っても作文苦手なので
気に入ったところ、思ったことをかいつまんで。
ネタバレ等NGな方は以下ご遠慮ください。

📗気に入った言い回し・表現の切り抜き
①”「既にあるものを知ることも、理解することも、研究ではない。研究とは、今ないものを知ること、理解することだ。それを実現するための手がかりは、自分の発想しかない」”
→これは、実は院卒な私がただただ、
そうだったな。と思って気に入った一文。
けど私はこれ気づくのに時間がかかった。
確かこのとき橋場君学部４年なんだよね、羨ましい
曖昧な気持ちで院に進む人、みんなこの本読んだ方がいい。

②”その視線で日焼けしてしまうのではないかと思うほどちくちくする”
→これは主人公が、周囲の女性から受ける不満を訴える視線を比喩しての表現。
一瞬だと不快で無く（個人的にはきもち良い）が、
受け続けていると日焼けという害になる感じ？
おしゃれな言い回し。自分語録に入れておこう。

③”この王道が意味するところは、歩くのが易しい近道ではなく、勇者が歩くべき清く正しい本道のことだ”
→これは喜嶋先生の「学問には王道しかない」という言葉の主人公がした解釈。
ただただ美しい。ひたむきに研究を続けている２人の発言と解釈だから余計に沁みる。
安易に、転職しようとしている自分の道と重ねてすみません。
けどそう思うと勇気が湧いてきました。

④”「そうね」なんて、アルミホイルみたいに軽い返事しかしてくれない”
→ああああ、理系かよ。好きですこういう表現。
以前『教養悪口本』堀元見著という本で、悪口を知的な言い回しで言い換えて
クスッと笑える表現に変えてしまうというフレーズをいくつか読んだのですが、
これは万人に伝わるライトな言い回しで汎用性が高い。
こちらも自分語録に加えておきます。

⑤”「まあ、ここだけの話だが、僕は、もともと凄い人なんだ」”
→喜嶋先生を知らないでこの文章だけ読むとただのナルシストかもしれませんが、
いや、良いですよね。むしろ私も普段これに近いことよく言ってしまいます。
まあ、ここだけの話っていうクッション言葉が
僕はもともと凄い人なんだのインパクトを上げてて良いですね。
次回以降冗談ナルシスト発言にはクッション言葉を添えるようにします🌹

⑥”あれは、星のように輝く発想で、そのあと、もっと大きな星座を形成する一等星だったのだ。”
→これは喜嶋先生が新しく提出した論文の着想を自分で称賛したセリフ
を主人公が回想したものです。
これも自分の人生のターニングポイントに使える
言い回しだなと思ってピックアップしました。
ああ、この出来事は自分の歴史の大きな変換点だぞ！と
確信を持って興奮している前向きな発言に思います。
こういう確信を重ねる人生を送りたいと思います。

📗まとめ
上記で記載したようなところどころの言い回し・比喩がとても気に入りました。
また私は作品全体を院生時代を回想しながら、
研究に前向きに楽しそうに打ち込んでいる主人公に
嫉妬しながら読み進めていたように思います。
本の８割が研究を淡々と進める描写で、起承転結はないんか？と思いながら
黙々と読んでいて最後にタ・タ・タ・ターン！でしたね。
ただ読み終わって全体を振り返ると、「けど研究って、こんなもの」なんだよなと
思ってみたり考えてみたりラジバンダリ。