輪廻の原因 三界に人を結びつける煩悩 「五上分結」・「五下分結」・「三結」
輪廻(りんね)の原因は煩悩です。
三界(さんがい)「欲界・色界・無色界」の世界に、人を結びつけて束縛させてしまう煩悩が分類されています。
「五上分結」(ごじょうぶんけつ)
「五上分結」とは、色界と無色界に人を結びつけて解脱させない上位の束縛の煩悩のことです。
1、色貪(しきとん)
色界の禅定の心地よさに対する執着です。
2、無色貪(むしきとん)
無色界の禅定の心地よさに対する執着です。
3、掉挙(じょうこ)
色界・無色界における心の浮動(達成感のような高ぶり)の煩悩です。
4、慢(まん)
慢心(まんしん)の煩悩です。
5、無明(むみょう)
無意識の領域の「苦の根源」ですのことです。
無明は真理にくらい状態で、四諦(したい)の洞察理解がないことです。
「五下分結」 (ごげぶんけつ)
「五下分結」とは、三界の欲界に人を結びつける束縛のことです。
1、有身見(うしんけん)
自己(我)があると思う。誤った見解で、五蘊を知らない無知のことです。
五蘊(ごうん)とは、
・色(シキ・からだの肉体)
・受(ジュ・感受するこころの作用)「感じるこころ」
・想(ソウ・思い浮かべる心理作用)「想うこころ」
・行(ギョウ・形成しようとする意識)「行うこころ」
・識(シキ・判断する識別する心理作用)「判断するこころ」
2、疑(ぎ)
仏法僧(ぶっぽうそう)・ブッダの教えを疑うこうとです。
3、戒禁取(かいごんしゅ)
誤った戒律や苦行、こだわり、しきたりへの執着です。
4、貪欲(とんよく)
貪る(むさぼる)欲望です。
5、瞋恚(しんに)
怒り(いかり)の欲望です。
「三結」(さんけつ)
「三結」とは、上記、五下分結の
1、有身見
2、疑惑
3、戒禁取の3つです。
修行で最初に滅せれる束縛です。
今回のポイントは
・「輪廻の原因」は煩悩があるから
・輪廻する場所は「欲界・色界・無色界」の三界(さんがい)の世界
・輪廻から解脱するのは阿羅漢の「想受滅」の境地です。
図解はこちらになります。
五下分結の図解はこちらになります。