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順序ある説法 四諦を理解させる 「次第説法」(しだいせっぽう)
次第説法(しだいせっぽう)
次第説法とは、四諦(したい)を受け入れやすくするための順序ある説法です。
布施の話に始まり、次第に高い次元の説明にすすめていく説法の順序です。
これはお経の組み立ての順番ではなく、お経に登場する人がブッダに布施の食事を供養した後に、ブッダが布施者に対して法話する通例の順番とされています。
説法の順番
1、布施(ふせ)の話
布施は誰にでも共通して行いやすいから最初に布施の話をします。施与(せよ)の習慣をもつことができると、所有物に対しての執着がなくなるので、ブッダの説く戒め(いましめ)を聞き入れて受け入れることができるようになるからです。
布施の与える心構えの注意に
布施を
・準備している時も、
・与える時も、
・与えた後も、
共に、財産が失われることを後悔し動揺しながら布施をすると大きな果報を持てない。
と言われています。
また、食べ物の布施の心構えでも、
・布施の奴隷、「おいしいものは自分で食べ、美味しくないものを与える人」
・布施の友、「自分が食べるものと同じものを与える人」
・布施の主人「じぶんはどんなものでも生活し、他の人に美味しいものを与える人」
ともお経の解説に出てきます。
2、戒(いましめ)の話
他人の愛語することを説き、他人の苦痛の消去させることばを説き、他人の罪の行動を消滅させることを説きます。
それを聞いた人が、罪のない善い行動をすると、その善い行動が「因」となり、その善い行為はその人の、富と幸福の「果」になることを説きます。
このように戒めを守った行為は輪廻に依存しており、善い行動の「因」は、幸福になる「果」であると示します。
3、天の説
布施と戒をまもると善い行いの結果「天の幸福」が得られると天の幸福の話をします。しかし、その天の幸福は貪り(むさぼり)で汚れているので、汚れていない聖道(せいどう)「八正道・はっしょうどう」を説きます。
4、諸欲にまつわる災難(過患・かげん)
欲は無常であり、変容するものを説きます。
5、劣等さ、汚れ
汚れたもので劣っていていることも説きます。
6、欲望から離れる利益
そして欲から離れる利益を説きます。
その話を聞いた人は、こころになにか準備され、柔和(にゅうわ)になり、障り(さわり)がきえ、喜びにあふれ、清らかな心になるのを自ら知ったとき、
目覚めた人が賞賛(しょうさん)する真理の教え、
『苦しみと、苦しみの起こる原因と、苦しみの消滅、苦しみの消滅にいたる道。』
を説いた四諦(したい)を理解したら、
染み一つない白い布に、染料が染まるように、
その人はすぐに、
「 およそ生じるものは、いかなるものもすべて滅びるものであると」
法眼(ほうがん)で真理を見る目が目覚めました。
そして、預流果(よるか)になりブッダに帰依して仏教徒になります。
お経にはこの帰仏物語(他の宗教者が仏教徒になる)で完結するお話がよく出てきます。
図解はこちらになります。