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表現

 「あなたのことしか考え・・・ 」

その後の言葉がききたい。

られない か ないようにします か

なかった か ?


つい、後ろを振り向いてしまいました。

ほお、、、?!
中年のおじさまと、キラキラギャル女性でした。



夏の夕暮れ時って好きです。いつまでも歩いていたいような、それでいて、早く家に帰り着きたいような。
ビル街ではなく、住宅街をそろそろと、幾分涼しくなった空気に、お醤油やお肉を焼く匂いが混ざり、たまにそよと吹く風に、風鈴の音が聞こえたりしたら、私は、ああ、なんて、日本は素敵な国なんでしょう!と、嬉しくなります。


  坂道を多少重めのバッグを提げて良い気分で、ゆっくりゆっくり登っていたら、


「あ、、ママ、、かわいい、、!」

園児でしょう、たぶん、お母さんには全幅の信頼を寄せているはずの、女の子が、疲れた表情のお母さんを見上げて。

「そうね、、早く帰らなきゃ、、」


クロタネソウの赤ちゃんでしょうか。

辺りにはクロタネソウが見当たりませんが。

後ろを登っていた私は、

「かわいい! クロタネソウの赤ちゃんみたい!」

先に見つけた女の子の笑顔が、忘れられません。

道端に種が飛んできて、未成熟でも、しっかりと石と石との間から顔を出して、生き生きと咲いている小さな花を、カワイイと感じる感性は大切にしてあげたい。

「くろたねそう?」

「たぶん、きっと、クロタネソウよ、カワイイね、」

無邪気に満面の笑みを浮かべる女の子。

「ありがとうございます。急いでいたので、、クロタネソウにしては、小さいですね、」


「赤ちゃんかも、、」

ちょっと笑顔を向ける私でしたが。

女の子の手をひき、

「この子、花が好きで、、庭は花ばかりになってしまったんですよ、」

疲れた表情のママさんも、ニコッと笑顔になりました。



札幌は、暑い日が続いています。

地下鉄も二駅くらいならば、夕方になると涼しくなり、歩いて帰ろうと、短い夏の夕暮れ時を味わいながら、歩くと、

素敵な出会いもあり、


今時代の表現の多種さに驚きながら、

簡略に短くしての新しい言葉、造語には、なかなかついて行けなくなっている自分を発見します。


今日も暑い。


今夕は、またどんな表現に出会えるか、

急ぎの仕事が勃発しなければ、
また、歩いて帰ろうと思っています。