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バターが食べたい。


お風呂から出て、冷蔵庫からベビーチーズをひとつ取り出してかじる。
このあいだ見つけてはじめて買った、ピスタチオ味の。
でも、違うんだよなぁ、やっぱりチーズじゃないんです、


お風呂で、江國香織さんの「雪だるまの雪子ちゃん」を読んでいる。
雪の便りがきこえるこの季節、本棚を眺めて久しぶりに、あ、これ、と手に取った。

児童書のような、そう翻訳の児童書を思わせるような語り口調がなんだか淡々と、でもほわほわと心地よくて。
でも最近すぐ眠くなっちゃうので、少しずつしか読めない。笑

野生の雪だるま、雪子ちゃんの話。
字は読めないけれど、趣味は読書。

今夜も、雪子ちゃんはベッドにねころがって本を読んでいます。それは、雪子ちゃんの気に入りの一冊でした。小ぶりで、スマートなたて長で、なかの紙が黄色くてきれいだからです。おまけにビニールのカヴァまでついていました。雪子ちゃんは本のまんなかへんをひらき、しばらくながめ、ぱらりとページをめくります。じっとながめて、ぱらり。じっとながめてぱらり。………


ぱらり。
本は読むものかもしれないけれど、ながめたっていいよね、と思えてくる。


それから、これ!
雪子ちゃんは、バターが大好き。

台所にいき、好物のバターをとりだすと、気持ちをつよくするために一つ口に入れ(たべやすいように、四角く切りわけてあるのです)、バターの包みをかかえたまま、戸をあけて外にでました。


バターを愛する雪だるまなんて…しかも四角く切り分けてあるなんて!
なんて江國さんらしい、と思わずうれしくなりつつ、そんなバターのくだりを読むうちに、そりゃあバター食べたくなります。

で。

でも、お風呂上がりにバターはいかがなものか、そしてそのまま食べたいようなバターは冷蔵庫にないし、でチーズになったわけです。


あぁ、明日はあんバタサンド食べよかな。
でもやっぱり美味しいバターを買って、冷たいかたまりをシンプルに美味しいパンにのせて食べたい。





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