指導の引き出し⑥〜第三者話法の使い方〜
今回は、会話テクニックなんでしょうね。指導の場面でも、何かを伝える際にも多用している(恐らく日常的に)ことを改めて整理してみたいと思います。
色々な場面で応用することもできる内容にしていけるよう、是非参考までにご一読いただけると幸いです。
第6回目のテーマとしては「第三者話法の使い方」
※イラストはテーマと関係なさそうですが、「あ!いいな!」と思って使用させていただきました(笑)
「第三者話法とは?」
まずそもそも「第三者話法」の定義から、確認してみましょう。
いわゆる、直接その人から言われるよりも、他の人が入るということで、その言葉の「信憑性」が高まります。
なぜ、信憑性が高まるのか?
次のポイントがあるからです。
①「第三者話法」の時点で、既に”複数名”の知見が入っている(『数の論理』に近い?)
②”第三者”の権威・背景を利用することが出来る(権威付け)
③より”客観性”をアピールすることが出来る
「信憑性」が高まれば、その言葉によって、相手の「行動変容」や「心情変化」を促すことがやりやすくなるかもしれませんね。
上手く伝わらない「誉め言葉」
少し話題を変えますが、また元に戻ります。
教育の現場では「誉めるのって難しいですね」ということをよく耳にします。これも深掘りして考えてみましょう。
「『誉めること』の何が難しいのでしょうか?」
この質問をすると、傾向として
①どこを誉めていいのかわからない(視点)
②どのように誉めていいのかわからない(方法)
が、挙げられます。
指導者側は、やはり「指導する意識」から、更なる改善・成長を促したり、または集団規律・ルールの順守をさせるなど別の要因が頭に入ることが多く、「注意する」傾向が強いのだと思います。そうすると
・「視点」が”注意する”傾向に偏ってしまっている。
・普段から誉めることを実践していないので、言葉・タイミングなどの「方法」がわかりづらい、経験が少ない状態になってしまっている。
ということは言えるかもしれません。
「日本人は誉めることは苦手」というのはよく言われていますが、こうしたことも先の内容が言われている原因とも言えるでしょう。
ただ「誉める」ことには、自分自身にとっても多くのメリットがあります。
このメリット面を活かさない手はない!
そうしたことから、「誉める」ということにも、意識的に
「第三者話法」
を使っていました。ただし、ここに私は「アイ・メッセージ」も付け加えます。つまり「私は…と思う」という自身の考えも乗せます。
まずは「誉める」ことから「第三者話法」の練習を
先程もお伝えしましたが、
「日本人は誉めることは苦手」とよく言われています。
その理由に、「日本人の”謙遜の文化”」があります。
この文化自体は、私は素晴らしい文化だと思っていますが、物事にはやはりメリット・デメリットがあります。
この”謙遜の文化”で、起こり得る事例では、
”謙遜”という言葉は、マイナスの方で発展させてしまうと、
「自己否定」「卑下」
などになりますでしょうか。
だからこそ、”謙遜”を超えてしまうように、相手に伝わるやりやすい形であれば、「誉める」が実践しやすくなる。
実践しやすい方法は…「第三者話法」を使ってみよう!
という思考のプロセスになったわけです。
第三者話法には「ウソ」はいけません。あった真実を、しっかりと伝えていく。ということは、色々な人から意見や感想を聞くことがたくさんあれば、「第三者話法」を使える”ネタ”増やしになる。
これが更にコミュニケーションの量を増やすきっかけにもなりました。
実は、AくんとBくん、まだそこまで関係性が強く出来ていませんでした。
でも、これをきっかけに会話が始まり、そして最終的にこの二人が、そのチームの中心人物として動いていきました。
私はこの事例の意識したポイントは2つ
①Aくんが話していた事実(誉める・認める)を、しっかりとBくんに伝える。
②私自身も、Aくんの上手さを認める(アイ・メッセージ)
です。
※実は、他にもこのセリフには『指導の引き出し』として活用している「役割は成長へ」や別の方法もいれています。
(別の方法に関しては、また後日紹介しますが、気になる方はコメント欄に!(笑))
我ながら、狙ったタイミングでの、声掛けで、ここまで上手くいくとは!という本当に嬉しい事例です。でもこれ何気ない日常で出来ることなんです。
私は、いままで恐らく1500人近くいや、もっとかもしれませんが、担任をしたり、教育相談・進路面談・就職面談を高校の中で行ってきました。
そのなかでも
「enya先生に、誉められたいんだよね」
「enya先生から言われると嬉しいんだよね」
という生徒からの声をもらうことがありました。
これからの時代、教員、あるいは上司は
いかに、その相手がモチベーション高く、前向きに取り組めるかという環境や状態を整えてあげることが出来るスキル
が本当に必要なります。これは個人的にはまだまだAIに負けてはならない領域、つまり非認知能力だと思っています。
まずは「誉める」こと!
そしてそれをやりやすい「第三者話法」にトライしてみること!
是非参考にしてみて下さい!
※ちなみに「第三者話法」はさらに応用して活用することもできます。それもまた今後、ご紹介していきますね