コインランドリーとぼくと、きみのうた。
機械音が反響する、きみが乱反射する。
きみの口もとから指先から紡がれるうたが
スマートフォンのスピーカーを抜け出し
生活に混じり合って
体に心に混じり合って
泣き虫なぼくと出逢う。
着古されたシャツ達が轟々唸りながら軽やかに舞い乾びてゆく時、ぼくの双眼は窓に流るる雨でぼやけた景色と、そこに混じり合うように映り込むぼくが合成される時間を焦点も合/逢わぬままぼんやりと眺めている。
“わからないくらいが丁度いい”そんな感じで。
仄かなグレーに染まるコインランドリーで、ぼくは鮮やかな蒼い世界を感じている。深く蒼く、きみが紡ぐ世界を感じている。
ただ、今一瞬の泡沫漂う時間を過ごしている。