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あの音が聞こえる|蜜蜂と遠雷(映画)

原作は買ったのになかなか読み進められなかったところに映画化ときて。
読み終えてからにしようと思ってたけど、台風くるらしいから先にねじ込むことにしました。

なるほど、これはグッジョブですね😃
プロモーションの宣伝通り。
音楽映画で、音響効果も含めてきちんと音楽(音)で語ってみせました。

エンドクレジットを全部は追いかけきれなかったけど、(クラシック)音楽系の協力企業・団体(のそれでも一部ですが)による総力戦、の、かなりの本気を見た🤣

最後のシメの楽器がカワイだったのが個人的にかなりヒット。
願わくばもうあと少し掘り下げて聴きたかったところがあるんだけど、まあ尺の限界だろうな、ギリギリまで洗練させて削ぎ落として2時間越えだし。

それもふまえて、映画として見せられた部分での演奏の印象と、コンクールとしての最終選考結果も、おそらくは現実のコンクールあるあるを多分に反映していると思われ。これ観たらコンクールでの一般観賞の仕方が変わって面白くなるかも。

映画終演後もなにやらウフフな気分が止まらず、ちょぴっとにやけながら最終電車でこれを書く。
音出したい。ポロン。

・・・と、ここまでが鑑賞直後の一気メモ書きで、以下は後日の補足です。

音楽(演奏)を題材にした作品はもちろんこれまでにも多数あり、その度にいずれかの音楽コミュニティ(大学だったり企業だったり)が、何らかの形で制作に関わってきているわけですが、そのほとんどは、彼らにとっては本線ではありません。各作品に対する相応の敬意、あるいは、社会一般に音楽を楽しんでもらいたい、そのために必要な普及活動のためならばと、色々割り切ってるか、はっちゃける方向にいってるかのどちらかだと思って良いと思います。
音楽表現に関することをガチで語るのって、本格的に難しいんですよ。そりゃそうですよね、本格的に音楽に向き合って行ったら最後、そこには生涯かけてたどり着くかどうかもわからない深淵大沼があることに気づいてしまうので...

しかし本作は別です。ピアノを通じた個々の音楽の世界を、そのものズバリの演奏、セリフ、効果音、間、場の空気...といったあらゆる「音/空間」の手法を駆使して直球で表現してきました。総じて語り下手の演奏者たちがその頭の中に抱えているあれこれには、それを象徴する「音」がある。多少関わらず「言語」ではなかなか他人には理解しがたいけど、言語として認識しない「音」ならどうか。これがわかると、なんでピアノコンクールの話でこのタイトルなのかがわかるんですね。なお、遠雷はともかく、蜜蜂に関しては映画中には(覚えている限り)一度も出てきませんでした。原作が成功させていたのはきっとこういう部分の文章表現なんでしょうね。まだ該当箇所を読めてないので想像だけど、でも確かそんなことを誰かが書評で書いてたように思います。

鑑賞中、普通なら映画なので眼前のビジュアルに集中するわけですが、この時は全力で聴覚に集中がいきました。


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筆者が音楽情報科学の研究者なので、音楽・サウンド周りの表現・演出の視点で書くことが多いです。まずは継続執筆を目指しているので、当面はほぼ全文が無料エリアですが、音楽・サウンド表現についての話を読みたい方はぜひ購読の上、ご自身の参考になさってください。

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