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二度と戻りたくなくて、唯一やり直したい高校時代の話④

高校を卒業してから毎年秋になると、高校三年の秋を思い出す。

今のわたしとしては、すごい嫌なんだ。思い出したくない。しんどくて、きつくて、つらかったから。

だってわたし、秋好きだし。食べ物美味しいし。秋生まれだし。

毎週の末の模試のせいで、おそらく高校三年生はみんな40日間くらい毎日学校にいたんじゃないかな。

とくにわたしたちの高校は、基本国公立を受けるから5教科を土日の二日間かけて受ける。

わたしは私立文系志望だったから、
理系科目を受けている3~4時間は本当に無駄の時間だった。

得点源になりもしない理系の科目の直しをして、ノートを提出することも、本当に意味がわからなかった。

やりたいことはほかにあるのに、やりたいことに時間をかけられないことに焦りと憤りを感じて、すべてを人のせいにしていたと思う。

いつになったら卒業できるのだろう。
成績、全然伸びないし、 
どう勉強したらいいか分からないし。

時間が過ぎていくことが嘘みたいに遅く感じた。

あんなに時間が経つのが遅く感じたことは、高3以来、まだない。

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付き合ってる人がいた。

いやあれは本当に恋と呼んでいいのかな。
1年くらい一緒に過ごした、同じ部活の恋人と別れたあと、
ずっと悲しくてつらくて泣いていた。

そんなときに、支えてくれた人がいた。
一緒に勉強したり、一緒に帰ったり、塾終わりに少し話したり。
短大へ進むか、大学へ進むかという相談にも乗ってくれた。

元恋人のことを忘れるように、優しい彼に惹かれていき、いつのまにかお付き合いするようになった。

大学受験前の、大事な時期に。

あの頃のわたしは、ちゃんと彼が好きだったと思う。
恋に恋をしていたのかもしれないけど、好きだと感じていた。

だけど、やっぱり今思うとあれはただの逃げだった。
別れた寂しさを埋めるように彼に頼っていたし、明らかに勉強に身が入らなくなったと反省している。

そうはいっても、彼に感謝していることはあるし、自分の生き方を見つめ直すきっかけをくれた。

少しの後悔があることは確かだ。
逃げる方法が間違っていた。
彼のせいではない。
わたしがとても弱かった。

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「あのー…。英語の成績、俺と変わんないけど、本当に英語系の学部に行くつもりなの?」

いよいよ私立受験が始まるという時に、そんなことを言われた。
悪気はなく、わたしのことを思って言ってくれたんだろう。
実際、わたしの英語の成績はなかなかあがっていなかったし。

だけど彼はすでに、センター推薦を利用して、
国公立大学の教育学部に受かっていた。

これから受験しようとしている人の目の前で、何度も一緒に勉強した人の前で、たくさん相談乗った人の前で、
もう受かった身で、しかも子どもたちに教育をする立場の彼が、
なぜそんなことを言うのかわからなかった。

応援してくれてたわけではなかったのかな。
受験はもう一週間後で、志願書も出したのに、どうしてこんなこと言えるのかな。
これを言われたわたしの気持ち、少しも想像できなかったのかな。

思いもよらない発言に驚いて、「そうだね。」としか言えなかった。

ここにきて、今までの自分の行いを後悔した。

逃げた自分を殴りたかった。

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